本文に移動

韓国勤労挺身隊被害者の10年間の法廷闘争を記録

登録:2016-05-31 00:31 修正:2016-05-31 06:19
31日に光州で『法廷に刻み込んだ真実』の出版記念会
『法廷に刻み込んだ真実』//ハンギョレ新聞社

 勤労挺身隊による被害者たちの10年にわたる日本で法廷闘争が1冊の本となった。

 「勤労挺身隊ハルモ二(おばあさん)と共にする市民の会」は31日午後7時、光州(クァンジュ)市西区の5・18教育館で『法廷に刻み込んだ真実』の出版記念会を開く。イベントには「名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」(以下、名古屋訴訟支援会)と「共同弁護」などで活動した日本側の代表6人も参加する。

 704ページに及ぶこの本には、1999年から2008年まで、三菱勤労挺身隊被害者たちが日本政府と企業に対して起こした損害賠償請求訴訟の全過程が盛り込まれた。

 原告には、三菱に動員された被害者300人のうち、ヤン・クムドクさん(85、光州)など8人が名を連ねた。彼女たちは1999年3月1日、名古屋地方裁判所に人権侵害と労働搾取の責任と賠償を求める訴訟を起こした。日本の良心的な市民たちも「名古屋訴訟支援会」と「共同弁護団」を組織し、原告たちの航空運賃と滞在費などを提供し、無料で弁論活動を行うなど、支援を行った。しかし、日本の裁判所は、1審、2審、3審で立て続けに棄却の判決を下した。1963年の韓日協定締結で対日請求権がなくなったという論理だった。市民の会は、2013年に今後の闘争資料にするため、記録の翻訳に入ってから3年間で、出版までこぎつけた。

 原告のヤンさんは「72年前に騙されて麗水(ヨス)から船に乗ったその日に、裁判記録が本になって出版された。死ぬ前に正義を取り戻してもらいたい」と目頭を赤くした。市民の会のイ・サンガプ共同代表は、「この本は、単純な訴訟書類ではなく、原告の陳述書と被告の答弁書などを通じて、時代の流れを再解釈できる歴史書であり、学術論文」と評価した。

 市民の会は、販売の資金を集め、名古屋訴訟支援会に届けることにした。同団体は、裁判以降7年間、東京の三菱本社前で責任を問いただす金曜行動(遠征デモ)を行っている。同団体の高橋信・共同代表は「10年間の裁判は、怒りと感動があふれる一本のドラマだった。この記録は、日韓両国の市民が真実と正義を守るためにいかに固く連帯したのかを示している」と述べた。

アン・グァンオク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-30 21:27

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/746072.html 訳H.J

関連記事