本文に移動

リオ行きのチケット握ったシャラポワ 水泳の朴泰桓は国内規定で選抜漏れ

登録:2016-05-28 09:19 修正:2016-05-29 08:30

禁止薬物で国際連盟が資格停止
シャラポワ選手はロシアの五輪代表に選抜
朴泰桓選手は二重処罰で見通し立たず

朴泰桓選手//ハンギョレ新聞社

 二重処罰規定で足枷がされた朴泰桓(パクテファン)選手と違い、マリア・シャラポワ選手がロシアの五輪代表チームに含まれた。

 英国BBC放送は、ロシアのテニススター、マリア・シャラポワ選手が2016年リオデジャネイロ五輪のロシアテニス代表チームリストに含まれたと、27日(韓国時間)報じた。ロシアテニス協会会長兼国際オリンピック委員会委員のシャミール・タルピシェフ氏は26日、「シャラポワをリオ五輪代表に選抜する。五輪のリストは6月6日までに提出される」と明らかにした。

 シャラポワ選手は1月のオーストラリアオープンで採取された試料から禁止薬物のメルドニウムが検出され、3月初め、国際テニス連盟から一時資格停止の処分を受け、国際大会に出場できない状況にある。BBC放送は「先週、シャラポワ選手が世界反ドーピング機構(WADA)の聴聞会に出席したとされる」と報じ、ロシアテニス連盟はシャラポワ選手が再び選手として競技するのは難しそうだと話したと伝えた。

 ロシアテニス連盟がシャラポワ選手を代表チームのリストに含めたのは、世界反ドーピング機構の懲戒を避ける可能性をもたせるためだ。メルドニウムは今年1月1日からドーピング薬物にされたが、それ以前に使用したものが体内に残り検出されたのなら、善意の被害者になる。このため世界反ドーピング機構は4月初め、「3月1日以前に検出されたメルドニウムが1マイクログラム以下の場合は懲戒を避けられる」とした。しかしシャラポワ選手の場合、ドーピング物質に定められた1月以降もメルドニウムを使用してきたと知られ、体内残留量とは別に処罰を避けるのは容易ではなさそうだ。それでもロシアテニス協会がシャラポワ選手を代表チームに入れたのは、彼女を五輪に出場させる可能性を諦めていないためとみられる。

マリア・シャラポワ選手//ハンギョレ新聞社

 ロシアがドーピングで資格停止された選手を五輪代表に選抜したことは、すでにドーピングでの懲戒を終えているのに、二重懲戒規定のため代表チームに選ばれない朴泰桓選手の事例と対照的だ。大韓体育会は「ドーピング選手は懲戒処分を受けた後も3年間代表チームに抜擢されないとした韓国国内規定を守らなければならない。一人の選手のために規定は改定できない」と主張する。しかし、IOCや世界反ドーピング機構は、二重処罰は誤りだとして認めていない。大韓体育会は原則を強調するが、上級組織の原則と反する原則だ。そもそも原則を守ろうとする理由は、不当な被害者が出てくるのを防ぐためのものだが、結果的に不当さを訴える被害者(朴泰桓選手)がでている。であれば原則に対する徹底した省察が必要となるが、大韓体育会はまったく動こうとしない。このため朴泰桓選手は、国内で唯一、100、200、400、1500メートル自由形の五輪出場資格(A基準記録)を得ているのに、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴訟を提起するなど気を使いながら五輪の準備を進めている。朴泰桓選手の関係者は「仲間と一緒に練習することができないのが最も辛い。コーチ陣を構成することも容易でない状況で選手が悩んでいる」と話した。

 過去の所在地情報漏れなどでドーピング懲戒を受けたイ・ヨンデ事件を円満に解決させた金・張法律事務所のパク・ウンヨン弁護士は最近、「ドーピングに対する国際スポーツの原則は一罰百戒でなく一罰一戒だ。ドーピングで、すでに罰を受けた選手が国内の二重懲戒規定のため五輪に出れないようにするのは、国際スポーツ界の法感覚とも合わない」と語ったことがある。

キム・チャングム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-27 21:53

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/745726.html 訳Y.B

関連記事