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パク·テファン選手「10年間の栄光が水の泡となり『薬物選手』に…」

登録:2015-03-27 22:51 修正:2015-03-28 06:18
 ドーピング波紋後、初の記者会見
 謝罪文の読み上げる途中何回も涙
 「陽性反応後、毎日が地獄
 ファンにもっと早く打ち明けられず申し訳ない
 五輪出場、今は話せない」
禁止薬物の陽性反応で18カ月間の資格停止処分を受けたパク・テファンが27日午後、ソウル松坡区蚕室の観光ホテルで開かれた記者会見で涙を流している。シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「10年間のすべての栄光が水の泡となり、(声を震わせながら)努力は『薬物選手』に...」。パク・テファンは言葉に詰まり涙声になった。鼻先と目頭を赤らめた彼はもう五輪の水泳英雄ではなかった。「ドーピング爆風」で頂上から墜落した26歳の弱い若者だった。

 パク・テファンが27日、ソウル・蚕室(チャムシル)の観光ホテルで記者会見を開き、ファンと国民の前でドーピング問題について公式に謝罪した。100人を超える取材陣をかぎ分けてオ・サンユン弁護士と一緒に会見場に入ってきた彼は、緊張した面持ちで謝罪文を読み上げた。パク・テファンは「いつも笑顔、良い姿だけ見せていたのに、このようなことになり、申し訳ないし、心が重い。至らない私を一途に応援してくれた国民の皆さんに、心からのお詫び申し上げる」と話した。パク・テファンは「ドーピングは、2004年五輪の時から毎日のように意識していたものであり、自分でも受け入れられなかったし、容認できなかった。故意かどうかにかかわらず、国家代表選手として物議をかもしたことを恥ずかしく思う。痛切に反省し、深く後悔している」と明らかにした。パク・テファンは「昨年ドーピング陽性反応が出てから、毎日が地獄だった。水泳一筋だったのに、それができなくなると思っていた時は『元に戻したい』と思った。ファンにすぐ打ち明けられず、申し訳ない」と述べた。彼は 「すべての努力が水の泡となり、薬物選手に...」と言う瞬間には感情がこみ上げて言葉を詰まらせた。パク・テファンは「励ましてもらうこともあるが、中には『ドーピングしたのに何の意味があるのか』という方も...」と言う時も涙声だった。

 パク・テファンは「水泳連盟と家族とも話し合って、将来を決める。オリンピックやメダルが目標ではなく、自分に恥ずかしくない人間にならなければならない。国民とファンに一生治らない傷を残した」と述べた。記者に再び質問されると、「機会があればハードなトレーニングにも耐えられるが、今は反省が先だ」と言って余韻を残した。

 パク・テファンは「死にたいほど大変で孤独な瞬間にも支えになってくれた方々がいる。連盟会長や専務、水泳関係者に心から感謝申し上げる」と話した。仁川(インチョン)アジア競技大会のメダル剥奪で仲間たちに苦痛を与えたことについても謝罪した。パク・テファンは「ソングァン、キュチョル、キュウン」などの後輩選手たちの名前をいちいち読み上げて「申し訳ない」と謝った。

 パク・テファンはドーピング陽性反応の原因となった、昨年7月の皮膚クリニックでのネビドの注射については、「ドーピング物質はいけないと何度も伝えたが、その度に医師は問題にならないと言っていた。ホルモン剤を注射されたという事実はドーピング陽性反応が出てから分かった」と釈明した。彼は「水泳をしていると、顔が荒れる。スキンケアのために知人に紹介してもらい、病院に通うようになった」と説明した。 2013年12月にもホルモン注射を打ったと病院長が発言したとされることについては、「ひどい風邪で注射を打ってもらっただけ」だと否定した。 「診療記録を公開できるのか」という質問には、ウ弁護士が「裁判が進行中だ。見守る方がいいと思う」と代わりに答えた。パク・テファン側は1月、副作用と注意事項をきちんと説明せずに注射したとして病院長を告訴しており、検察は業務上過失致傷の疑いで院長を在宅起訴した状態だ。

キム・チャングム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.27 19:17

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/684354.html  訳H.J

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