北朝鮮が、心理戦放送やビラ散布問題を含めた南北間の軍事的緊張解消の方策などを議論するための南北軍事当局会談を重ねて提案した。6~7日、労働党大会で出された金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の「南北軍事当局者会談開催の必要性」の言及に対し、「会談提案」ではなく「宣伝攻勢」と一蹴した政府は、今回も非核化のない会談の提案は受け入れない姿勢を示した。
北朝鮮は20日、国防委員会の公開書簡を通じて「南朝鮮当局は軍事的信頼を保障するための出口を共に開いていこうとする我々の提案に遅滞なく応えねばならないだろう」とし、「南北軍事当局会談の提案は、国の平和と民族の安全のための最上最大の現実的方策」と明らかにした。 また「全同胞は朝鮮半島で対決と衝突の危険を解消し、わが民族の最大の宿願である祖国統一を果たすため、我々の果敢な実践的な措置をすぐに見れるようになるだろう」と強調した。
金正恩委員長は6~7日、労働党第7回大会中央委員会の事業総括報告で「我々は朝鮮半島の平和と統一に向け、まず南北軍事当局間の対話と交渉が必要と認める」と明らかにしている。これに対し韓国政府は「真剣さのない宣伝攻勢」と事実上拒否した。
政府は今回も、真剣さが感じられない宣伝攻勢と一蹴した。国防部は同日、「北朝鮮国防委員会の公開書簡関連の国防部の立場」という報道資料を出し、「北朝鮮は南北軍事会談の提案の前に、非核化に向けた実質的な変化を行動で示すのが先決」とし、「北朝鮮との対話には非核化措置が最優先されなければならない」と明らかにした。
一方、欧州連合(EU)は20日(現地時間)、官報を通じてパク・ヨンシク人民武力部長、キム・ウォンホン国家安全保衛部長、キム・ラクギョム戦略軍司令官、キムチュンサム元第1副総参謀長、ソン・チョルジュ航空及び反航空軍政治委員など18人の北朝鮮軍部の実力者に加え、北朝鮮のミサイル開発を担当する戦略ロケット部隊を対北朝鮮制裁リストに追加したと明らかにした。欧州連合の閣僚理事会は前日、北朝鮮の4回目の核実験と長距離ロケット(ミサイル)発射による追加制裁を断行すると発表した。
これに先立ちスイスは、3月2日に採択された国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議2270号履行のための施行令を18日設けた。北朝鮮の核・ミサイル開発関連の資金・資産の凍結、贅沢品の対北朝鮮の禁輸品目の拡大などの処置が盛り込まれた。ロシアの中央銀行も19日、国連が承認した場合を除き北朝鮮との金融取引を禁止すると都市銀行各社に通知した。
キム・ジンチョル、パク・ビョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2016-05-20 22:18