金正恩(キムジョンウン)労働党第1書記が労働党第7回大会で、南北軍事当局会談を提案し、「世界の非核化」などを強調したが、大統領府をはじめとする政府は8日、「進展した内容も真摯さも見られない」と一蹴する雰囲気だ。
大統領府は同日、金正恩第1書記が発表した党大会事業総括報告と関連し、大統領府としての公式見解は明らかにしなかった。ただし、内部的には、「北朝鮮の典型的なヒットエンドラン戦略」と評価している。金第1書記が明らかにした「責任ある核保有国」、「世界の非核化実現のために努力」など(の発言)について大統領府の関係者は、「世界の非核化は、世界の核保有国が非核化に乗り出すという前提に基づいたもので、意味がない」とし、「核保有国の地位を固めようとする意図が込められているようだ」と分析した。また、「南北軍事当局の対話と交渉」を強調し、南北軍事会談を提案したことについても、「北朝鮮の実質的な変化がない状態で、会談に出ることは意味がない」と否定的な反応を示した。大統領府は、北朝鮮の宥和的発言が中国の圧力、ロシアの対北朝鮮制裁の論議など、北朝鮮核問題と関連した外部の圧力が強まる中、孤立局面を突破するために出てきた案だと判断している。
政府はこの日午後、統一部報道官の論評を通じ「北朝鮮を核保有国として認めないというのは、私たち(韓国)と国際社会の一致した立場」とした上で、「北朝鮮が核開発と挑発の脅威を持続しながら、南北関係の改善のための対話と交渉を取り上げたのは、真摯さが全くない宣伝攻勢に過ぎない」という公式反応を発表した。肯定的な反応の余地がないということだ。大統領府の関係者は、「党大会期間中、北朝鮮の5回目の核実験など、追加挑発の可能性について注視している」と述べた。
ただし、政府が金第1書記の軍事当局会談提案を名指しし、公式的に拒絶・拒否していないことは、これから見守る必要がある。政府当局者は「公式会談の提案とは思わない。公式提案があれば、その時に判断する問題だ」として最小限の余地を残した。
韓国語原文入力:2016-05-08 19:31