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朴大統領派がセヌリ党の改革を力ずくで阻止 総選挙惨敗で派閥対立激化

登録:2016-05-18 08:48 修正:2016-05-18 12:50
セヌリ党の革新委員長に内定したキム・ヨンテ議員が17日、全国委員会が流会すると国会正論館で記者会見し、革新委員長職に就かないと明らかにし硬い表情をしている。キム議員は「今日、セヌリ党で政党民主主義は死んだ。国民に許しを請う最後のチャンスを失った」と話した=連合ニュース

非主流任せにできない親朴派勢力
党常任全国委・全国委をボイコット
非対委・革新委は一歩も前に踏み出せず
より大きな葛藤を防ぐ和合求める声も

 セヌリ党主流の朴槿恵(パククネ)大統領派による勢力誇示が激しさを増している。16日、集団声明で総選挙惨敗後で初の派閥行動を起こし、翌17日の党常任全国委員会と全国委員会を定員不足で流会させた。たった一日の蜂起で「党の主は親朴派」であることを明確に示したのだ。党大会の党憲改正の機能を担う最高レベルの議決手続き(全国委員会)まで無力化したことに対する党内外の非難も、まったく意に介さない態度だ。

 この日、執権与党の党憲・党規に明示された手続きにより招集された数百人の全国委員らが議決定数未達で解散する場面は、セヌリ党が直面した現在の状況がいかなるものなのか克明に示している。党内では総選挙惨敗の責任の中心にある親朴派の一部が組織的に動いたという批判が公然とされている。党事務総長代行のホン・ムンピョ議員は全国委の休会を宣言した後、「(委員たちは国会がある)汝矣島(ヨイド)にはたくさん来ているが、ここ(国会)には入っていない」と語った。党内では、前日夜から同日午前まで、常任全国委出席を督励する院内指導部と、これを頓挫させようとする一部の親朴派委員たちで「電話対決」があったことが分かった。ある党幹部は「それでも親朴派が党が決めた手続きにより会議場内で反対意思を表明するものと期待した」と言って首を横に振った。会議そのものが流れる事態は予想していなかったということだ。

 前日に「厳重事態」を警告した親朴派のキム・テフム議員は、「親朴派が党を危機に追い込んでいる」という指摘に対し、「マスコミの批判と国民の心配はあるが、これはむしろ党内のより大きな葛藤を未然に防ぎ、真の和合へ進む道だと思う」と答えた。強い批判があっても「最初のボタンをかけ間違えないようにする」という親朴派の主張は間違っていないというのだ。親朴派の別の議員も「和合と革新のうち革新はすでに保守革新委員会で十分になされた。傍点は和合につけるべきだが、チョン・ジンソク院内代表(党国会対策委員長)が『和合非対委・革新委』をかなぐり捨て、総選挙の責任を全面的に親朴派に転嫁している」と訴えた。親朴派の幹部、ソ・チョンウォン議員も「国民は親朴派を批判するかもしれないが、今の非対委員の構成で行けば党は山へ向かうことになる」とした。

 党主流の親朴派が、ユ・スンミン元院内代表の時のように、チョン・ジンソク院内代表を手なずけようとしているとの分析もされる。親朴派は、彼らの水面下の支援で選ばれたチョン院内代表が非常対策委員長まで兼ねたのに続き、親朴派中心の院内代表団・副代表団が構成される時までは何の反応を見せなかった。ところが、15日に朴大統領と距離を置く非朴系の非常対策委員らと革新委員長が選任されたわずか2日後、事実上、これを振り出しに戻す力を誇示した。親朴派議員らは、「実権も派閥もない新院内副代表団に親朴派ばかり選んだと批判されると、チョン院内代表はこれを意識して最高委員の権限を持つ非常対策委員を非朴系中心にした。親朴派の原罪もあるが、党の多数を全員引き離して党刷新を行うのは論理に合わない」と主張した。

 党内では、親朴派の露骨な抵抗は「親朴派後退」が現実化しかねない危機感から始まったとする見方もある。金武星(キムムソン)元代表の時のように、「主流でありながら非主流」になる状況に再び陥ると考えているのだ。党関係者は「チョン院内代表は党内多数で主流の親朴派議員の考えも反映すべきだったが、序盤の非常対策委員・革新委員長カードが強すぎた」と話す。強硬な非朴系議員らが、総選挙惨敗の原因究明を理由に主流の親朴派責任論を浮き彫りにさせ、全党大会にも悪影響を及ぼしかねないということだ。彼らが初日から大統領府を真正面から批判し、「あなたのための行進曲」に対する党の方針を変えたのも、親朴派を刺激したものとみられる。

キム・ナムイル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-17 22:23

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/744335.html?_fr=mt1 訳Y.B

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