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[ニュース分析]3日前の約束破り「あなたのための行進曲」斉唱を認めない朴大統領 

登録:2016-05-17 01:23 修正:2016-05-17 07:16
パク・スンチュン国家報勲処長が16日午後、ソウル中区のプラザホテルで開かれた歴代国家報勲処長懇談会に出席した。国家報勲処はこの日、今年の5・18民主化運動記念式で「あなたのための行進曲」を2008年以前の斉唱方式に戻さず、最近までの合唱団の合唱方式を維持することにした=聯合ニュース

 5・18民主化運動記念式で「あなたのための行進曲」を2008年以前のように斉唱(出席者全員が歌う)できるようにする問題は、今月13日、朴槿恵(パククネ)大統領と与野3党指導部との会合の議題の中でも、最も実現可能性が高いとされてきた。しかし、16日、主務省庁の国家報勲処(庁)が斉唱を拒否し、合唱(合唱団が歌う)の維持を決めたことで、政局が急速に冷え込んでいる。野党は今回の事態の震源地として、パク・スンチュン報勲処長の上にいる朴槿恵大統領に狙いを定めた。

与野党ともに「大統領の意向」に疑い 

国民の党院内代表「大統領府、報勲処の報告を受けたと聞いた 
朴大統領が黒幕であることを裏付けている」 
共に民主党院内代表「次官級が大統領の意向に背けるのは不思議」 
与党も「大統領府の同意があったようだ」 

国論分裂・政局の梗塞もたらす 

共に民主党院内代表「この政権には協力できない」 
国民の党院内代表「協治の合意文を破ったようなもの」 
セヌリ党、与党過半数割れの中の政局梗塞に「困惑」

 2大野党は前日まで、「あなたのための行進曲」が今年の5・18記念式で斉唱されるものと期待していた。朴大統領が与野党の院内指導部に「国論分裂を起こさないため、良い案を見つけるよう報勲処に指示する」と述べたのに加え、セヌリ党のチョン・ジンソク院内代表もパク・スンチュン報勲処長に対し、個別に「前向きな解決策」を求めたからだ。

 しかし、この日の朝、ヒョン・ギファン大統領府政務首席は国民の党のパク・チウォン院内代表に報勲処の合唱維持の決定を伝えた。パク院内代表が「これは大統領の意向なのか」と尋ねると、ヒョン首席は「報勲処が大統領府に報告した」と答えたという。パク院内代表は記者団に「重ねて言うが、(以前から)パク・スンチュン報勲処長が、この問題が自分の手を離れたと話していたのは、朴大統領が黒幕だったことを裏付けている」と述べた。

 共に民主党のウ・サンホ院内代表も「次官級公務員(報勲処長)が大統領の指示に背く奇妙なことが起きており、不思議でならない。朴大統領のレームダックが始まったのか」とした上で、「真相を究明しなければならない」と述べた。大統領府が背後で斉唱禁止の方針を示したか、少なくとも報勲処の決定に暗黙で同意したと規定したのだ。国民の党のソン・グムジュ報道官は「朴大統領は、口先では危機克服のための疎通を呼び掛けながら、行動では国民を分裂させている」と述べた。「あなたのための行進曲」をめぐる国論分裂を解消すると言っていた朴大統領が、むしろ国論分裂の主軸になったという批判だ。

 与党セヌリ党の中でも、報勲処の決定が朴大統領の意向と無関係ではないだろうと指摘されている。報勲処を担当する国会政務委員会のセヌリ党議員は「パク・スンチュン報勲処長は、朴槿恵政権発足前の2011年2月から今まで、ずっと処長を務めており、大統領府の信任が厚いと聞いている」としながら、「今回の決定は、パク処長の所信と、提唱を強く反対する保守層の反発を意識した大統領府の黙認と同意が相まった結果のようだ」と話した。

朴槿恵大統領は2013年5月18日に光州北区の国立5.18民主墓地で行われた33周年の公式記念式で「あなたのための行進曲」合唱をしなかった=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「あなたのための行進曲」の問題は、5・18行事を超えて、与党過半数割れの第20代国会の開院を控えた政界に、政局梗塞の気流をもたらすものと見られる。特にこれは、湖南(全羅南道と全新北道)という地域と民主化勢力という支持層が結びついた問題であるため、野党がさらに強硬にならざるを得ない問題だ。共に民主党のウ・サンホ院内代表は「あなたのための行進曲の斉唱ができなければ、この政権に協力できないという点を明確にする」と警告した。国民の党のパク・チウォン院内代表は「大統領府会合での協治合意文を破ったようなもの」と激しく批判した。

 野党を直接向き合わなければならないセヌリ党も、「好材料」を期待していたところが「悪材料」に遭い、困惑した表情を隠せない。セヌリ党は、院構成の交渉と法案処理を念頭に置いて、湖南に基盤を持つ国民の党(との協力に)力を入れてきた。あるセヌリ党幹部は「かなり厄介な状況になった」と話した。

 与野党はパク・スンチュン報勲処長の解任要求決議案をめぐり衝突せざるを得なくなった。野党がパク処長の解任要求決議案を出したのは、大統領選挙における中立義務違反が議論になった2013年と、「あなたのための行進曲」を批判したのが問題になった2015年に続き、今回が3回目だ。与党の中でも「パク処長は今回の事態を収拾するためにも自ら辞任すべきだ」という声があがっているが、これもまた大統領府の意向にかかっているというのが大方の予想だ。

ソン・ヨンチョル、ソン・ギョンファ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-16 19:36

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/744077.html 訳H.J

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