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[ニュース分析]イラン大統領、北朝鮮を特定せず反核・平和に言及

登録:2016-05-02 23:32 修正:2016-05-03 07:11
韓イラン首脳会談「核兵器のない世界支持」共同声明
イランを国賓訪問した朴槿恵大統領が2日、テヘランのサアダーバード宮殿でイランのハサン・ロウハーニー大統領と首脳会談を行った後、共同記者会見で笑っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

北朝鮮核問題への協力に具体的なメッセージなく
朴大統領「北朝鮮に対する制裁に協力を要請」

 朴槿恵(パククネ)大統領とイランのハサン・ロウハーニー大統領が2日(現地時間)、テヘランのサアダーバード大統領宮で首脳会談を行った後に発表した「北朝鮮の核問題」に関連するメッセージは、抽象的、原則的、象徴的だった。北朝鮮核問題に対応する過程で、両国が取るべき共同行動などの具体的なメッセージはない。軍事協力をはじめ、さまざまな分野で、北朝鮮と長く「親密な友好国」の関係を維持してきたイラン側の消極的な態度によるものと見られる。

 ロウハーニー大統領は朴大統領との首脳会談後の共同記者会見で、「私たちは朝鮮半島の平和を望んでいる」とした上で、「私たちは原則的にいかなる核開発にも反対する」と明らかにした。ロウハーニー大統領は「朝鮮半島や中東で危険な武器や核兵器がなくなることが、私たちの基本的な原則」としてこう述べた。

 ロウハーニー大統領のこのような言及は、「朝鮮半島の非核化原則」に対するイラン政府の公開的な支持を意味することで、意義があると評価できる。しかし、ロウハーニー大統領の発言が「北朝鮮」を特定していない方法で、平和、非核、反核の姿勢を原論的に宣言するのにとどまった事実にも注目する必要がある。イラン側がテヘランまで訪ねてきた朴大統領に「礼」を尽くしながらも、「北朝鮮への圧迫」には消極的な態度を示したものと分析される。

 イラン側のこのような慎重なアプローチは、首脳会談後に発表した「韓イラン包括的パートナーシップに関する共同声明」でも確認される。両国は共同声明で、「核兵器のない世界という目標への支持」を表明し、「核兵器不拡散条約(NPT)と非核化公約を再確認し」と発表した。国際社会の責任ある一員ならば、誰でも同意できる原則的な合意だ。ただし「核兵器の開発は絶対に安全保障を強化できないとの認識を共にした」という表現は、事実上、北朝鮮を念頭に置いたメッセージと思われる。一方、「朝鮮半島の平和と安定の維持の重要性を強調した」という表現は、南北を含む北東アジア関係国すべてに向けたメッセージと言える。

 イラン側が、北朝鮮の核問題に対応する過程で、韓国政府と具体的な協力を避けようとした痕跡は、朴大統領の発言でも確認できる。朴大統領は共同記者会見で、「私は、朝鮮半島と北東アジア地域の恒久的な平和と安定のための鍵は、朝鮮半島の平和統一にあることを強調し、イラン側は朝鮮半島の平和統一のために韓国国民の熱望に支持を表明した」と述べた。朴大統領は、「私は、北朝鮮の核の不容認と北朝鮮の非核化問題と関連し、韓国政府の立場を説明し、最近、北朝鮮の核実験に伴う(国連)安全保障理事会決議(2270号)の忠実な履行の重要性を強調しながら、イラン側協力を要請した」と述べた。

 朴大統領が共同記者会見でイラン側の反応として言及したのは、「韓国国民の平和統一への熱望に対する支持表明」だけだ。「北朝鮮の核の不容認と北朝鮮の非核化」と関連した韓国政府の立場の説明や、国連安全保障理事会決議2270号の充実した履行に関する協力要請に対するイラン側の反応がどうだったのか、朴大統領は明らかにしなかった。両国の意見が一致しなかったという意味だ。

イ・ジェフン記者、テヘラン/チェ・ヒェジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-05-02 21:12

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/742245.html 訳H.J

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