「先ず非核化」米国の要求を拒否
対北朝鮮制裁局面、転換容易ではない見込み
米国ニューヨークを訪問中の北朝鮮リ・スヨン外相が「核には核で対応するしかない」と明らかにした。 対話のテーブルに着くためには非核化に関する北朝鮮の行動が先行しなければならないという米国の要求を拒否する発言であり、当分は対北朝鮮制裁局面に突破口が作られることは容易ではなさそうだ。
リ外相は21日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた「2030持続可能な開発目標高位級会議」での加盟国代表演説を通じて、「今でも30万人の膨大な武力と米国の核戦略資産が動員された史上最大規模の核戦争演習が朝鮮半島で行われている」と米国を非難した。さらに「核の脅威を除去するために対話もしたし、国際法による努力もしてみたが、すべて水の泡になった」として「今や残ったものはただ一つ、核には核で対応するしかない」と主張した。
リ外相の発言が即時核実験を行うことを意味するかは明らかでないものの、米国との交渉窓口が開かれなければ核プログラム開発を継続する立場を再確認したものと見られる。
リ外相は米国が主導した制裁と経済封鎖を「無知の現れ」とし「米国が我々(北朝鮮)の持続的な開発を遮断したことに対し補償を確実に受け取るだろう。この席で時代錯誤的な対朝鮮敵視政策を終息させることを要求する」と主張した。 そのうえで「最後には我々が笑うということが国防委員会第1委員長の金正恩(キムジョンウン)同志の政治的意志」と述べた。
リ外相はこの日午後の代表演説を終えた後、待ち構えていた記者団の質問には答えず国連本部を後にした。 22日には国連本部で開かれるパリ気候変化協定の署名式に参加した。
潘基文(パンギムン)国連事務総長とリ外相の面談もまだ確定していないと把握されている。 国連のステファン・ドゥジャリク報道官は「現時点では(2人の)面談計画はない」と明らかにした。 リ外相は昨年10月の国連総会出席時には潘事務総長に会い訪北を提案したことがある。
ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官はこの日、定例ブリーフィングを通じて「私たちは北朝鮮が過去の約束を履行し朝鮮半島の非核化に進むことに真正性があるならば対話の門を開いている」としつつも「率直に言って北朝鮮は非核化に対して僅かの真正性も見せていない」と明らかにした。 北朝鮮と米国の主張は接点を見いだせず依然として拮抗している。