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朝米、昨年末に平和協定で非公開協議

登録:2016-02-22 23:12 修正:2016-02-23 08:15
金正恩・労働党第1書記が長距離ロケット「光明星4号」打ち上げを承認する署名をしたと、朝鮮中央通信が7日に報じた=朝鮮中央通信、聯合ニュース

米国務省「北朝鮮が先に提案したが
非核化も共に協議しようとの逆提案を拒否」 
中国の王毅・外交部長の提案と内容重なり注目集まる

 北朝鮮と米国が北朝鮮の「平和協定の提案」と関連し、昨年末に非公開の協議を行ったことが確認された。一種の「探索的対話」といえるものだが、非核化問題をめぐって双方の立場がするどく対立し、決裂したことが明らかになった。

 ジョン・カービー米国務省報道官は21日(現地時間)、米紙ウォールストリート・ジャーナルが「朝米間の平和協定非公開協議」と報じたことに関連したハンギョレの確認要求に、「はっきり言うと、平和協定について協議しようと提案したのは北朝鮮側だ」とした上で「北朝鮮の提案を慎重に検討した後、非核化がそのような(平和協定)の議論の一部にならなければならないという点を明確にした」と明らかにした。カービー報道官はまた、「北朝鮮は、私たち(米国)の逆提案を拒否した」とし「北朝鮮の提案に対する私たちの逆提案は、非核化を強調してきた米国政府の立場と一致するもの」と付け加えた。

 これに先立ち、ウォールストリート・ジャーナルはこの日、北朝鮮が先月6日、4回目の核実験を敢行する数日前に、朝米が朝鮮半島の平和協定の締結のための協議に合意して▽米国が「非核化を優先する」という前提条件を放棄し、平和協定に向けた協議を進めたと報じた。

 朝米間の非公開協議は、核実験の数日前に行われたという同紙の報道とは異なり、昨年11月頃にあったものと思われる。ワシントンの外交消息筋は「12月以前に行われたもの」と話した。朝米間の非公開協議はリ・スヨン北朝鮮外相が昨年10月1日、米国ニューヨークの国連本部での基調講演で、停戦協定の平和協定への切り替えを提案した後、国連北朝鮮代表部がこの発言を米国に説明する形で行われた。

 米国が北朝鮮の議論提案に応じたことについて、同紙は「北朝鮮の非核化措置が先」という前提条件を放棄したものと報じたが、これは「探索的対話」と「6カ国協議」の概念を混同したことによるものと思われる。米国は6カ国協議の再開については、「言葉ではなく行動で非核化措置を示すべきだ」という条件をつけたが、いわゆる朝米間の「探索的対話」については、非核化に議論の焦点を合わせるべきとしながらも、前提条件はないと明らかにしてきたからだ。

 米国が朝米間の協議で「非核化が、そのような(平和協定)の議論の一部にならなければならない」と北朝鮮に伝えたことをめぐり、一部では、北朝鮮に対する制裁局面が終われば、米国政府が「非核化交渉と平和協定協議の同時推進」を強調した王毅・中国外交部長の提案を受け入れられるという意味ではないかという分析もあるが、現時点ではその可能性はかなり低いものと見られる。これまで米国の公式ブリーフィングで一度も立場は変わっておらず、米国が北朝鮮の提案を真剣に検討しているという状況証拠もなく、韓国政府が強く反対することが必至だからだ。むしろ王毅部長の提案が出た後、このような報道が出てきたのは、「米国が努力したにもかかわらず、北朝鮮が非核化の協議に反対しているため、平和協定に向けた議論も不可能である」と反論するための、米国側の情報操作の側面が強いと思われる。

 これと関連し、韓国外交部当局者は「韓米は最近、首脳会談や電話会談などを通じて、北朝鮮の核問題を最高の緊急性と確固たる意志を持って取り上げており、北朝鮮とのいかなる対話においても、非核化が優先されるべきという一貫した立場を堅持している」とした上で、「平和協定の問題と関連した米国側の従来の立場に変わりはない」と述べた。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-22 08:47

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/731450.html訳H.J

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