登録 : 2016.03.11 02:37 修正 : 2016.03.11 06:46

 朝鮮半島情勢が悪化の一途をたどっている。状況好転の兆しは見え隠れするが、見通しは不透明だ。どこからおかしくなり始めたのだろうか。

 先月21日、米紙ウォールストリート・ジャーナルが「朝米平和協定に向けた秘密の協議」と報じたことが手掛かりになるかもしれない。この報道は、朝米間の「探索的対話」があったこと以外は、正確な事実や分析を伝えているとは言い難い。それでも、同紙の報道をきっかけに、昨年11月頃、朝米間に平和協定関連の協議があり、協議が成果なく終わったという事実だけは明らかになった。

 振り返ると、朝米平和協定協議の決裂が「バタフライ効果」のように、以降の情勢悪化に意外にも大きな影響を及ぼした可能性があるのではないかと考えている。蝶の小さな羽ばたきが嵐のような大きな変化を引き起こすように、今年1〜2月に行われた北朝鮮の4回目の核実験と長距離ロケット発射の出発点だったかもしれないという、個人的な推論だ。

 リ・スヨン北朝鮮外相が昨年10月1日、米ニューヨークの国連本部基調講演で提案し、駐国連北朝鮮代表部が米国側にこれを正式に伝えたことで、平和協定をめぐる議論が始まった。しかし、朝米両国間の隔たりはあまりにも大きかった。平和協定以外には協議できないと主張する北朝鮮に対し、米国は非核化の議論が平和協定に向けた協議の一部になるべきだと対抗した。

 ワシントンの専門家たちの話によると、北朝鮮も平和協定に向けた協議を始めてから、状況に応じて、非核化を協議する用意が全くなかったわけではないという。しかし、北朝鮮は公式の協議で米国政府にそれをはっきりと伝えなかったようだ。北朝鮮から明確なメッセージを受け取っていない米国も背を向けた。不信の沼は深く、両国とも対話を続ける動力を見つけられなかった。

 それから、朝米は共に強硬対応に乗り出した。昨年12月8日、米国務省と財務省は、北朝鮮の弾道ミサイル作戦を実行するための戦略軍司令部を急に制裁対象に指定した。北朝鮮が1年前の2014年に数回中・短距離弾道ミサイルを発射したことを問題視した。当時は突拍子もないものに見えたが措置が、今では結局、朝米間の対話が成果なしに終わったことに対する米国の“八つ当たり”だったかもしれないと思うようになった。(米国の制裁措置から)約一週間後の12月15日、金正恩(キムジョンウン)労働党第1書記は、核実験進行の最終命令に署名することで対応した。

 朝米対話の決裂を念頭に置くと、もう一つのパズルも解くことができる。ワシントンの専門家たちは、少なくとも11月末までは、朴槿恵(パククネ)政権が12月11〜12日に開かれる予定だった次官級の南北当局会談で、金剛山観光の再開などを含め、南北関係の改善に向けて柔軟性を発揮しそうだと、ひそかに予想していた。一部の専門家は、米国が金剛山観光の再開を歓迎するわけではないが、同意はするだろうという見通しを示した。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社
 ところが、当局会談の直前にワシントンを訪問した政府関係者は、「米国」の意向が金剛山観光の再開を左右する可能性について、遠回しながらも、重ねて強調した。先にインプットされていた楽観的な見通しが、(その情報を)深刻に受け止められなくしたのだ。こうしたことを振り返ってみると、朝米協議が決裂した状況で、米国政府が金剛山観光の再開に肯定的なシグナルを送ったはずがないという考えに至った。朴槿恵政権が、決定的な局面で主導的に状況の改善を図るよりも、引き回されていたことが明らかになる場面だ。

 先月23日、米中外相会談後、米国側で平和協定に向けた協議の可能性が言及されたことを受け、政府の一部では「平和協定は、韓国が主導的に主体にならなければならない」と不快な顔を隠せずにいる。平和協定に対する腹案も、交渉の失敗による政治的リスクを負う覚悟も持ち合わせていないのに、「主導的な」という言葉を掲げるだけではむなしい。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-10 20:45

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/734418.html訳H.J

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