登録 : 2016.04.16 04:02 修正 : 2016.04.16 06:40

北朝鮮の海外レストランで働いていたが集団脱出し7日に韓国に来た脱北者13人が顔をマスクで隠してどこかに移動している。写真は統一部がマスコミに提供したものだが、この場面がいつどこで撮影されたかは統一部も知らないと明らかにした =統一部提供//ハンギョレ新聞社

 ちょうど一週間前でした。 4・13総選挙を5日後に控えた8日、いつもより少し早めに仕事を片付けているところでした。正確には午後4時24分、統一部の緊急記者会見を知らせるメールが届きました。午後5時、「北朝鮮の海外レストランの従業員が集団脱北して入国」したことを公開するということでした。その瞬間、緊張感よりも、虚脱感におそわれました。まさかの「北風」が、やや予想外の方法で吹き荒れたというべきでしょうか。この8年間まさかが現実になってしまうのに、もう慣れてはいますが。その後の3、4日間で私が書いた記事には、「異例」という言葉がかならず登場することになりました。

 いわゆる「集団脱北」で確認された事実だけをお伝えしますと、こうなります。北朝鮮の支配人と従業員13人が5日、中国浙江省寧波にある「柳京」という北朝鮮レストランを抜け出しました。この日の夜、陸路で上海に向かいます。 6日未明、彼らは飛行機でマレーシアに渡った後、韓国領事館で1回限りの旅行証明書を発給してもらい、7日午前に仁川国際空港を通じて入国しました。韓国政府は8日午後、緊急記者会見を開き、この内容を公開しました。

 8日と10日の両日にかけて、統一部と外交部が聞かせてくれた説明は、非常に興味深いものです。 「集団脱北」の理由として、1カ月前の3月8日、政府が発表し北朝鮮に対する独自制裁の効果を挙げました。北朝鮮レストランへの出入りを控えるようにしたら、1カ月で営業が困難になり、従業員が逃げ出てきたということです。個々の脱北も公開しなかった政府が、集団脱北を緊急メディアに打ち明けた理由は、さらに見ものです。政府が事前に公開しないと、海外メディアが先に報道するかもしれないという心配から、北朝鮮が先に「南朝鮮の拉致」だと主張するかと思って、急いで発表したということです。総選挙の5日前にですね。納得いきますか?

 常識のある記者は、誰もが「国家情報院が深く介入した企画脱北」だと疑いました(他のメディアの実際の報道はそうでなかったが)。脱北取材を長くしてきた記者も、実際の脱北者も、南北関係の専門化も、家族でもない13人が協議のもとで脱出したことや1日で入国したのは不可能なだけでなく、政府の異例の緊急発表などは、常軌を逸していると、誰もが思っていました。記事が出ると、この分野の専門家たちからも数えきれないほど情報が寄せられました。今も精通した情報に基づいて取材を行っています。

 何よりも注目すべきなのは、政府の態度です。少なくとも、嘘はついてはならないのではありませんか。総選挙の直前、インターネットやSNSに流れた「脱北者が急増」の記事を見た方も多いと思います。これは嘘です。脱北者の数は長期間にわたって減少傾向にあります。このような事実をもっともよく知っている政府が、「前年同期に比べて」という奇妙な物差しまで考案し、脱北者が増えたと主張するから、開いた口が塞がりせん。「関係機関」は、メディアを動員し、事前に書いておいた記事を確認する方法で、「昨年の高位級の脱北者」たちまでひっくるめて、ごっちゃまぜにしてしまいました。

キム・ジンチョル政治エディタ席統一外交チーム記者//ハンギョレ新聞社

 このような一連の脱北攻勢の後ろには、大統領府がありました。緊急発表と高位級脱北者の確認などはすべて、大統領府が統一部や国防部などに指示したものです。私は、関係機関がこのように乗り出したのに、外交部だけが抜けたことに注目しています。また、集団脱北を発表しておいて、脱北者の身辺保護のために脱北ルートと国は公開できないと言っていたのに、発表当日、保守メディアに該当レストランに関する情報を流したのが「冷酷な核心機関」という情報提供にも注目しています。 「人」よりも私利私欲を優先する二律背反的な態度です。

 特に悲しかったのは、もう最悪の状態を迎えたのに、これ以上回復できないほど切り裂けられる南北関係です。実はこの問題の根本的な原因は南北分断にあります。南北問題を政治的に悪用しようとする悪い勢力は、分断に寄生しています。開城工業団地の閉鎖に続き、企画性が濃厚な今回の集団脱北問題で、南北(の距離)はさらに離れることになるでしょう。北朝鮮はさらに攻勢に出て、韓国はこれから守秘に近い防御をするでしょう。「集団脱北」という韓国の説明に対して、北朝鮮は「誘引拉致」という主張で対抗していますが、なんとか会って解決できる方法はないでしょうか?

キム・ジンチョル政治エディタ席統一外交チーム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-04-15 19:17

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/739907.html訳H.J

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