商店街管理職員も中に入れない
中国人従業員「給料もらえるのか」
北朝鮮「南側が拉致事件」と主張
「毎月15日前後に月給をもらっていたけど、今月分はもらえるのか、今後店はどうなるのか知りたくて来た」
12日朝、“脱出”があった北朝鮮レストラン従業員が働いていたと知られた中国浙江省寧波の「柳京(リュギョン)」レストラン前で会った40代の中国人女性は、暗澹たる表情だった。厨房で働いたという彼女は「朝鮮(北朝鮮)から来た従業員たちが急に家に戻ってしまったんでしょ」と、事件についてよく知らないようだった。近くでレストランの写真を撮っていた男性が「インターネットを見てないんですか。みんな韓国に逃げちゃったって言うじゃないですか」と言うと、彼女は「まさか」と半信半疑でその場を離れた。数日間、宅配便の運転手や果物の納入業者も食堂に無駄足を運んだ。
まだ残るレストラン従業員たちは神経質になっていた。レストラン周辺をうろついていたある従業員に状況を尋ねると、「なぜ私があなたの質問に答えねばならないんだ」と不機嫌に答えた。彼と話していた人も、取材陣が近づくと「私は従業員じゃない」と接触を避けた。
コック長を含む一部従業員は正午頃からレストラン内にいたが、入口を閉ざしたまま何の対応もしなかった。同日午後3時に、ドアの隙間から人の気配を探っていた商店街施設管理会社の職員は、「この中に他の店とつながる電源スイッチがあるから入らなくてはならないのに入口を開けてくれない」、「営業を中断した後も先週は開けてくれたのに、今日は態度が違う」と話した。
レストランがある商業地区「南唐老街」の一般訪問客は、「この家が従業員が逃げだしたというその店」と言いながら、窓越しにレストランの中をのぞいたり記念撮影をする姿が目立った。
公安当局の調査を受けていることが分かった食堂の経営者らは、インタビューを断った。“責任者”と呼ばれる中国人のO氏は、ハンギョレの接触に「次に機会があったら話しましょう。時間がたてば必ず機会がある」と答えた。O氏は、法廷代表人である別のO氏とともに柳京副部長の経営を任されているが、「大きな社長」と呼ばれる実際の所有者は別にいるという。柳京副部長でインターン調理師として働いたC氏は11日、「大きな社長が北朝鮮従業員を連れてきたと聞いている。しかし、1カ月働いたけど一度も見たことはない」と話した。
北朝鮮側は、今回の事件が韓国による拉致事件だと主張した。北京の北朝鮮大使館関係者は同日、ハンギョレの電話取材に「詳しい事情はよくわからない。しかし、私たちの女性たちが1日でどうやってそんな遠くに行くことができるのか」とし「南朝鮮の傀儡国家情報院が白昼に拉致した事件」と答えた。
一方、陸慷・中国外交部報道官が11日、北朝鮮レストラン従業員の集団脱出の事実を公式に明らかにすると、中国のニュースポータルと官営メディアは、女性従業員脱出の事実を一斉に報じ、韓国政府の8日の発表後も、まだ検索されていなかった関連ニュースも検索され始めた。
韓国語原文入力:2016-04-12 21:51