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レストラン従業員7人の北朝鮮送還で南北に水面下の動き 13人の集団脱北で中国は黙認か

登録:2016-04-15 08:18 修正:2016-04-15 09:15
解けぬ集団脱北の疑問点
中国浙江省寧波の北朝鮮レストラン「柳京」で北朝鮮の女性従業員らが勤務していた当時の写真=北京/連合ニュース

 中国浙江省寧波の北朝鮮レストラン支配人H氏(36)や女性従業員R氏(37)氏ら13人が、いわゆる「集団脱北」をして韓国に入国し、14日で1週間になる。レストランに残った北朝鮮従業員7人が平壌(ピョンヤン)に戻る中で、北朝鮮は近く官営メディアを通じて彼女らのインタビューを放送する予定とされる。しかし、7人の北朝鮮送還の過程をめぐる疑問は依然として解決していない。さらに脱北に対する中国政府の不明確な反応も疑念を抱かせる。

■7人が平壌に帰るまで

 「(当該レストランの従業員)相当数がきた。(残る従業員のうち)別の考えをする人もいるだろう」。10日、統一部当局者は「集団脱北」した人たちについてこう説明した。「別の考えをする人」を巡り様々な推測が飛び交った。合計20人になる北朝鮮レストラン従業員のうち、支配人など13人が韓国に来た7日以降、中国寧波では残る7人を巡る南北関連当局の水面下の動きが激しく行われたものと観測される。

 14日、複数の消息筋の話を総合すると、残る7人に対し、韓国関係当局がさらなる脱出を試みたのと推定される。7人のうち3人は、支配人H氏が脱出準備に乗り出した5日午前、その事実を北朝鮮当局者に知らせるため近くの大都市に向かった後、同日夕方、北朝鮮当局者らを同行して戻ってくる。その間、H氏など13人は上海に向かい、6日未明にマレーシア行き旅客機に乗った。その日午後、残る7人のうち2人が行方をくらましたと、北朝鮮レストランの中国人経営責任者は伝えた。この責任者は「2人は韓国領事館に行ったようだ」と話した。これに対して北朝鮮に詳しい消息筋は「国家情報院が動いたが、結局、残った7人全員が北朝鮮大使館の責任者と一緒にいて平壌に帰った」と説明した。中国人経営責任者は、身を隠していた2人の身辺をとても心配していた。

■「確認結果、出国」とした中国

 13人の集団脱北に対して、中国政府は11日、外交部報道官の公式ブリーフィングのほか何の反応も出していない。この会見の核心は「北朝鮮人の行方不明の届け出を受け、確認した結果、有効なパスポートを持って出国」したので不法越境した脱北者でないということだ。そして「国際法と国内法、人道主義の原則に従って問題を適切に処理している」という脱北者問題関連の中国政府の一貫した基調を再確認した。

 これについて韓国政府と多数のメディアは「対北朝鮮制裁に参加した中国が協力または幇助した」と評価した。北朝鮮は12日、朝鮮赤十字会の談話を通じ「南朝鮮当局の集団誘拐拉致」と非難し、「その国の黙認の下に」という表現を使ったのも中国に対する批判との説明だ。

 しかし、中国政府の「確認結果」という条件の語句表現に注目し、13人の脱出事実を中国政府が事後に知ったという説明もされる。事情に詳しい消息筋は「団体の手続きを軽くする慣行により、中国出国審査台を簡単に通過した可能性が高い」と話した。北朝鮮のパスポートでビザなしで入国が可能なマレーシア行き飛行機に乗ることは合法なので、出国審査の職員が「北朝鮮」に注目せず通過させたということだ。

キム・ジンチョル記者、北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-15 01:21

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/739848.html?_fr=mt2 訳Y.B

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