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米日メディア、朴大統領の不和で総選挙惨敗 早期レームダックは必至

登録:2016-04-15 05:32 修正:2016-04-15 07:48
朴槿恵大統領が1月13日午前、大統領府で国民向け談話発表後に開いた記者会見で質疑に答えている=大統領府の写真記者団//ハンギョレ新聞社

ニューヨーク・タイムズ「言論の自由と反対勢力抑え込むリーダーとしてみなされる」
BBC「次期大統領選挙でセヌリ党が再執権する見通しも不透明に」 
ワシントンポスト 「北風あまり影響せず、経済が民意を左右」 
日本メディアは「慰安婦問題、政府間合意の履行に悪影響の懸念」

 13日、セヌリ党の惨敗で終わった韓国総選挙に対し、外国メディアも大きく注目し、リアルタイムで関連速報を掲載した。単純に選挙結果だけ伝えたものではなく、韓国の政治、経済、社会的状況を背景に、今回の選挙の意味と今後の展望などを分析した記事が多かった。

 米ニューヨーク・タイムズ紙は13日、「軍事独裁者の娘である朴槿恵(パククネ)大統領はよく不和を引き起しており、今回の選挙結果はそれに対する拒否だった」と分析した。同紙はまず、「今回の総選挙は、朴槿恵大統領に対する国民的(中間評価の)投票であり、2017年の大統領選挙の風向計とされていた」とした上で、「世論調査機関は、与党が容易に多数党になると予測した」と、選挙戦の雰囲気を伝えた。また「(選挙結果は)16年ぶりに政権党が議会で第1党の地位を失い、朴大統領は早期レームダックに陥ることになった」という見通しを示した。

 同紙は「(韓国は)政治権力と政策決定権が大統領に集中しており、直ちに外交政策が変わるようなことはないだろう」としながらも、「革新性向の野党が、対話ではなく、制裁に焦点を当てた朴大統領の対北朝鮮強硬策を修正するように圧迫するだろう」と予想した。同紙はさらに「朴大統領は2013年に執権して以来、国家安全保障に徹する強い指導者としてイメージを掲げており、高齢者や保守支持者の忠誠に支えられ、40%を上回る支持率を享受してきた」とし、「しかし、多くの韓国人は彼女をメディアの自由と反対勢力を抑え込む指導者と見なしている」と説明した。それだけでなく「朴大統領は、規制緩和と労働法改革を通じた経済回復と雇用創出の失敗の原因が、議会の硬塞状態にあると非難してきた」とも指摘した。

 英BBC放送は、韓国時間で14日午前までのウェブサイトの「ニュース」のホームページのトップ記事で、韓国の総選挙のニュースを大きく取り上げた。同放送は「韓国の経済状況に対する有権者の不満が政府への支持を相殺した」とし、「総選挙の結果は、次期大統領選挙でセヌリ党が再執権する見通しを不透明にした」と評価した。高騰する若年失業率、輸出の不振、深刻な家計債務などで、朴大統領の経済政策が批判を受けてきたということだ。同放送は特に、セヌリ党の敗因として2つに注目した。第一に、労働者を解雇のリスクから保護する法的装置を競争力の低下の原因とし、無力化しようとしており、第二に、左派性向の野党と政治的な反対者たちを親北朝鮮勢力として弾圧したということだ。

 米経済紙のウォールストリート・ジャーナルは、今回の選挙結果と経済状況の関連性に注目した。 「韓国の景気低迷が、有権者が朴槿恵政権党に背を向ける原因になった可能性がある」ということだ。同紙は、「(総選挙前日の)12日、国際通貨基金(IMF)が韓国の今年の経済成長率の見通しを世界平均よりも低い2.7%に下げにもかかわらず、昨年末基準の家計債務は1兆ドルで、2月基準の若年失業率は12.5%の記録的なレベルに達した」と指摘した。

 米ワシントン・ポスト紙も韓国の今回の総選挙で「北風」があまり影響を与えなかったとし、経済が投票の行方を左右したと分析した。同紙は「韓国の政府与党が総選挙の敗北で、議会で第1党の地位を失い、来年の大統領選挙の見通しにも強い打撃を受けた」と伝えた。 また「北朝鮮が韓国を威嚇し、ミサイル発射実験を行ったが、今回の選挙では主な争点にはなれず、経済の悪化が有権者の最大の関心事だった」と報じた。

 日本は、今回の総選挙の結果が韓日関係に及ぼす影響に神経をとがらせた。菅義偉・官房長官は14日の定例記者会見で、出てきた韓国の総選挙の結果についての質問に「日韓関係重要性については、韓国も与党・野党を問わず、共通の認識が存在すると考えている」とし「今後も日韓の多様なレベルで協力を深化し、日韓関係をより発展させていかねばならない」と述べた。菅長官は「韓国政府が12・28合意を履行するのが難しくなるではないか」という懸念については、「両国が責任を持って履行していくことは、両国の発展のために非常に必要であると思う。 (今回の選挙結果が)合意の履行に影響を与えるものと考えていない」と述べた。菅長官はまた、これまで両国が手足を合わせてきた対北朝鮮強硬策などの安全保障政策についても「まだ朴大統領の任期があるので、大統領の考え方は変わらないと認識している」という希望を明らかにした。

 しかし、日本のメディアは韓国与党の惨敗で12・28合意以後、両国が進めてきたいくつかの協力にも支障をきたすだろうという見解を示した。

 毎日新聞は「朴政権の求心力の低下が避けられず、慰安婦問題をめぐる日韓両政府間の合意の履行にも影響が懸念される」と指摘した。 日本経済新聞は「第1野党の共に民主党が12・28合意の再協議を公約に掲げており、これにより、朴大統領が日本にさらに強い対応に出る可能性がある」と予想した。 朝日新聞は「日本が年内の合意を希望している軍事情報保護協定(GSOMIA)の締結も難しくなるものと見られる」と報じた。

チョ・イルジュン記者、東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-04-14 15:15

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/739702.html 訳H.J

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