湖南(全羅北道と全羅南道)の民心は「共に民主党」を審判した。28議席(光州8、全羅北道10、全羅南道10)がかかる全羅道で、「国民の党」は目標だった20議席以上獲得を超す23議席を確保した反面、共に民主党は全羅南道1議席、全羅北道2議席しか得れなかった。国民の党の完勝だ。選挙地盤を席巻した同党は、全議席数で劣勢だったにもかかわらず、野党内部の主導権争いから、第1野党に負けない強力な発言権を得ることになった。
大統領選の支持度1位の文在寅(ムンジェイン)前代表が、選挙運動終盤で2回も「謝罪訪問」をするなど誠意を示してきたが、全羅道は共に民主党を無視した。何より「野党の心臓」と呼ばれてきた光州が、同党に8対0の完敗という侮辱を与えた。湖南の離反は今回の選挙が、事実上の「地域の第1党」だった同党に対する審判選挙として行われたことを意味する。国民の党が提示した「野党再編論」が共に民主党の「政権政党論」より強い訴える力を発揮した。
共に民主党の湖南での惨敗は、最近の同地域の政党支持率の流れを見ても十分予想される状況にあった。韓国ギャラップの月別の政党支持率の流れを見ると、2012年の大統領選挙後、40%前後を動いていた湖南圏の第1野党(民主統合党→新政治民主連合→共に民主党)支持率は、文在寅代表の進退問題や内紛が激化した昨年11月に30%台に急落し、国民の党による新党結成が軌道に乗った今年1月中旬からは、一度も持ち直すチャンスがなかった。
しかし、今回の結果を国民の党に対する確固たる支持と見るには無理がある。全羅道の有権者が同党に圧倒的議席を与えたのは、与党セヌリ党候補の当選可能性が低い状況で「最悪よりは次悪がまし」という戦略的選択の結果と解釈される余地が多分にあるためだ。同党を支持するというより、共に民主党に対する失望や反感を表現するため、他の有力野党に票を集中的に与えたということだ。
現地事情に明るい光州のある法曹関係者は、「共に民主党の相次ぐ自殺ゴールのおかげでの勝利を、国民の党が自力によるものと勘違いしては困る」と話す。同党の圧勝は共に民主党の光州での公認失敗と、金鍾仁(キムジョンイン)体制での比例代表公認をめぐり起きた内紛、文在寅前代表の「大統領選挙の競争力」に対する不信、そして主流をなす「親盧武鉉(ノムヒョン)」勢力に対する情緒的距離感が複合的に作用した「政治的反射利益」の性格が濃い。
国民の党は選挙では圧勝したが、主要支持層の規模では共に民主党を圧倒できていないのも注視すべき点だ。韓国ギャラップの月別の政党支持率の推移によれば、全羅道地域で国民の党の強固な支持層は20%前後(3月の支持度21%)とみられる。一方、共に民主党は湖南圏支持率が底を打った時も、20%台半ばだった。終盤になり浮動票が多数集まり圧勝を収めたが、国民の党は「バンドワゴン効果」で生まれた緩やかな支持層が多数になるということだ。
共に民主党関係者は「湖南の支持がどこに集まるかは、共に民主党代表の行方と大統領選候補が誰になるかにかかっている」と話した。同党の党権が全羅道の拒否感が強くない方向で握られ、キム・ブギョム、朴元淳(パク・ウォンスン)、ソン・ハッキュなど全羅道で好感が持たれる人物が大統領選に参入すれば、本選での競争力を見ながら戦略的支持をする全羅道地域の民心は、共に民主党側に戻ってくることもあるということだ。
韓国語原文入力:2016-04-14 01:51