現行の国会先進化法は、熟議民主主義(Deliberative Democracy)を前提に作られた制度だ。 大統領と国会、与党と野党の対話と妥協がなければ正しく作動しない。 朴槿恵(パククネ)大統領は2012年、国会先進化法制定の先頭に立った。 ところが大統領当選後、国会および野党と対話をしなかった。 国政に協力しないと批判ばかりを並べた。 さらには審判して欲しいとまで言った。 親与党指向の論客は「第19代が歴代最悪の国会」という偽りのフレームを作り流布させた。
今回の4・13総選挙の特徴は20年ぶりに3党体制が出現したということだ。 どう解釈すべきだろうか。明知大のキム・ヒョンジュン教授は14日、「主人である国民が大統領に対して、もう独善の政治を中断し対話と妥協の政治をしろと命令を下した」とし「朴槿恵大統領は国民の命令に従わなければならない」と指摘した。 キム教授は「共に民主党と国民の党も事案別に政府と与党に協力することは協力しなければならない」として「もう協治の時代に進まなければならない」と話した。
3党体制の国会はどう変るか。5月30日に任期が始まる第20代国会では、与野党の院内代表(党国会対策委員長)2人が向かい合って握手する場面を見ることは難しくなる。 代わりに3人の院内代表が手を前に出して握手する場面をしばしば見ることになるだろう。 各常任委員会の幹事も2人ではなく3人になる。
2党体制で起こりうるケースの数は2の二乗の4だが、3党体制では2の三乗で8通りだ。 はるかに複雑にならざるをえない。 大統領と各党の指導部が協力政治のリーダーシップを発揮できなければ混乱が日常化しかねない。 第20代国会がまともに運営されるだろうか。
数字で確かめてみよう。 4・13選挙で無所属当選者11人のうち、チャン・ジェウォン、ユ・スンミン、チュ・ホヨン、アン・サンス、ユン・サンヒョン、カン・キルブ、イ・チョルギュの7人は直ぐにもセヌリ党に復党申請するものと見られる。 セヌリ党が全て受け入れるならば129議席で第一党になる。
与党も野党も独走するなという「魔法の167」
セヌリ党、無所属・国民の党と合わせれば167議席
共に民主党と野党が全て連合しても167議席
法案通過に必要な180議席には至らず
対話と妥協なしには「混乱の日常化」予告
国会法により国会で他党の反対を押し切って法案を即時通過させるには180議席が必要だ。 だがセヌリ党と国民の党の議席を合わせると167議席だ。 セヌリ党が国民の党を引き込んでも、共に民主党が反対する法案は通過させられない。
「野党連合」ができたらどうなるか。共に民主党、国民の党、正義党を合わせてもやはり167議席だ。 与党を除いて野党どうしで国会を思いのままに引っ張っていくことも不可能だという話だ。
東国大のパク・ミョンホ教授は「第20代国会は共同体精神を共有し、各党の役割を相互に認めなければならない」として「党論投票を最小化し議員各自の選択を尊重すべきだ」と勧告した。
3党体制は持続可能だろうか
過去の統一国民党と自民連のように
有力大統領候補がいない3党は長く続かない
では3党体制は今後も持続可能なシステムなのか。大統領制と多党制の並行可能性について政治学者たちの見解は異なる。 韓国の過去の事例を見れば、有力な大統領候補を持てない第3党は長続きしなかった。
1992年の第14代総選挙で、現代グループのチョン・ジュヨン会長が大統領選挙出馬のために創党した統一国民党は31議席(地方区24、全国区7)で第3党になった。 しかし12月の大統領選挙でチョン・ジュヨン会長が敗北し、金泳三政権の弾圧が始まると、チョン・ジュヨン会長は全国区議員を辞退して統一国民党の解散に出た。 統一国民党は2年で消滅した。
1996年の第15代総選挙ではキム・ジョンピル総裁の自由民主連合(自民連)が50議席を占めた。 自民連は金大中総裁の新政治国民会議と手を握り、1997年12月の大統領選挙で執権した後に共同政権を構成した。 しかし、2000年の第16代総選挙で17議席(地方区12、全国区5)に終わり、新千年民主党の「議員貸し」でかろうじて院内交渉団体を構成するという屈辱を味わった。 2004年の17代総選挙で自民連は地方区4議席の獲得に終わり、政党得票率は3%に達しなかった。 これに伴い比例代表候補1番だったキム・ジョンピル総裁が10選高地に上がれず政界を引退した。