4・13総選挙の最も重要な特徴の一つは「国民の党」の大躍進であり、20年ぶりに「3党体制」が実現した。新政党である国民の党は、短期間に38議席を得て、政党得票では「共に民主党」に先んじる大きな成果を上げた。安哲秀(アンチョルス)代表が第1野党を離党した時も、成功するか不透明だった「第3党実験」は選挙を通じて幅広い支持を受けたと評価できる。
このような結果は、既存の与野党対決の構図を越えた、第3勢力に対する有権者の欲求が極めて広く強く存在していることを示している。地上波3社の出口調査の分析を見ると、国民の党は必ずしも野党支持者だけを取り込んだのではない。小選挙区でセヌリ党に投票した有権者のうち12.9%は政党投票で国民の党を選択した。これは共に民主党の候補を選んだ有権者のうち政党投票で国民の党を選択した割合(20.8%)よりは小さいものの、それでも国民の党が野党票だけを獲得したものではないといったことを示している。国民の党が野党票のすそのを拡げたという主張は現実に証明されたわけだ。第3党の出現で、セヌリ党は保守改革の旗じるしを強化せよとの要求に、共に民主党は合理的代案を提示する政党として生まれ代われとの課題に直面した。
第1党に躍り出た共に民主党(123議席)と弟2党に滑り落ちたセヌリ党(122議席)は、ともに国会の過半数を確保できなかったため、第3党である国民の党の政治的地位は一層高まっている。しかし明らかなことは、国民の党は明確な路線やビジョンを示すべきで、単に二つの巨大政党の間に立つだけではならないという点だ。有権者は、セヌリ党と共に民主党の間で機械的にバランスをとってキャスティングボートを握るように高い支持をしたのではないということを忘れてはならない。
選挙に表れた国民の要求は、現政権の独善的な国政運営を終わらせ、国会の主導で国を正しく導いてほしいということだと要約できる。それを望むのなら、20年ぶりに成った3党体制を政治的な取り引きと妥協の構造だけに見てはならず、国民の要求を取りまとめて政府を動かす過程とすべきである。そのような責任感を最も重く感じるべき政党が、まさに国民の党だ。
韓国語原文入力:2016/04/14 20:00