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仁川市が保育所「超過保育許容」受け入れ 他自治体より児童虐待事件多く保護者は不安

登録:2016-03-30 09:20 修正:2016-03-30 12:03
グッドネイバーズ、セーブ・ザ・チルドレン、緑の傘子供財団などの42の市民社会団体の会員らが20日午後、ソウル中区の大漢門前で今年に入り児童虐待で死亡した児童8人を追悼する遺影を手にして虐待の根絶に向けた市民社会の声明書を発表している=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社 

政府指針に保護者・保育士が反発
教師対子供の比率拡大は撤回すべき
ソウル、釜山、大邱、済州は事実上拒否

 ソウル市など各地の広域団体が事実上拒否した、政府の保育所超過保育許容指針を、仁川(インチョン)市が特別の規制なく収容し、保護者や保育士が反発している。仁川では、昨年1月の松島(ソンド)保育施設の児童虐待事件をはじめ、「子どもの家」(保育所)での児童虐待事件が相次いだ。

 29日、仁川市と保育士らの説明によると、保育所超過保育を市道別地方保育委員会で審議して決定させることにした先月、政府の指針に基づき、仁川市は保育士1人当たり最大3人まで超過の児童を許容できるようにした。教師1人による保育水準を担保するため、クラス別に制限していた児童数を超過してもかまわないということだ。

 しかし、これは他の多くの広域団体の全般的な対応とは異なる。ソウル市は、政府指針後に保育政策委員会を開き、6時間30分の議論の末に多様な規制案を用意し、政府の超過保育の許容を事実上不可能にさせた。釜山市も満1歳、2歳半に1人ずつ超過保育を認めることにするが、超過保育による追加収益金の40%を保育士に支払うよう明示し、超過保育を難しくさせた。

 政府は、2013年に保育の質を高めるとして超過保育を原則的に禁止すると発表し、運営難を考慮し国公立と職場内の保育所は1年間の猶予期間をおき昨年から、民間の保育所は今年から超過保育を禁止することにした。

 しかし、2年で政府の方針は覆った。政府は先月24日、超過保育を許容する指針(2016年保育事業案内)を各自治体に送り、0歳を除外した満1~4歳半の教師1人当たりの児童数を、1人から最大3人まで増やすことができるようにした。いわゆる「班別定員弾力編成」で教師1人当たりの児童数を満1歳半は5人から6人、満2歳半は7人から9人、満3歳半は15人から18人、満4歳半は20人から23人まで超過保育が認められた。そして、最終決定は各市道に任せ、責任まで自治体に転嫁させたと批判された。

 仁川保育士協会の関係者は「他の市道の場合、政府の指針に逆らえなくなると様々な規制を用意し、保育士の超過保育を難しくさせた。仁川市は他の市道より児童虐待事件が多く、保護者が敏感に反応しているのに認めてしまった」と批判した。

 仁川の保育所の保育士と保護者は同日午前、仁川市庁前で集会を開き、「保育所の児童虐待を特定の保育士の問題にさせてはならない」と訴え、教師と子供の比率拡大の撤回▽保育士の処遇改善を保障するよう要求した。

 仁川市関係者は「政府が予算の問題で基本保育料引き上げの約束を守れず、新学期を間近に控え、急に超過保育を認める指針を通達した。京畿道なども時間の余裕がなく指針に従って認めた。ただ仁川市はそれなりに多くの制限を設け、許可により増えた児童数の超過収益金の20%以上を教師たちに支払うことにした」と話した。

キム・ヨンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-29 21:50

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/737460.html 訳Y.B

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