清海鎮海運の運航管理規定審議時
国家情報院職員が堂々と名簿に名前を上げ
就航時は報告しなかったと「不快に思い」
清海鎮側の接待費支出内訳も
事故当日に国家情報院と通話した社員
「記憶にない」として具体的内容明らかにせず
セウォル号の船会社、清海鎮(チョンヘジン)海運が、セウォル号を韓国国内に持ち込む際、国家情報院と密接な関係を結んだという疑惑を裏付ける証拠が「4・16セウォル号の惨事特別調査委員会」(特調委)聴聞会で新たに明らかになった。
特調委は29日、ソウル市庁舎で開かれた第2回聴聞会2日目で、2012年に清海鎮海運が日本からセウォル号(フェリー波之上)を買い入れた当時に関与した人の連絡先を整理した文書を公開した。 同文書には「運航管理規定審議」と関連して「国家情報院ソ○○室長」という名前が名簿に記されていた。 国家情報院は正常運行管理規定審議について法規上は関与機関でないのに、関連職員が含まれていたのだ。
社長は出席拒否…社員は「目隠し幕」の後ろに
国家情報院との関係を暗示する証言も出てきた。 この日の聴聞会に出席した清海鎮海運のホン・ヨンギ海務チーム代理は、清海鎮海運がセウォル号の増改築を完了した後、「国家情報院に報告せずに入港させた」とか「就航報道資料を出した」という理由で「国家情報院は不快感を表わした」と話した。また、国家情報院が2013年2月の約1カ月間、「国家保護装備」に指定されたセウォル号の保安測定を行ったが、清海鎮海運のイ・ソンヒ済州(チェジュ)地域本部長は、当時の状況について「(国家情報院にきちんと報告しない)不敬罪のために(通常の場合より長い)1カ月間も保安測定が行われたと思った」と明らかにした。 当時国家情報院は「監視カメラを設置しなければならない」と指摘したが、その費用は清海鎮海運が全額負担した。
しかし、セウォル号事故当日に国家情報院と交わした連絡について、清海鎮海運の関係者たちは明確な返事をしなかった。 セウォル号が沈没した後、国家情報院職員に携帯メールや通話で事故の事実を報告した清海鎮海運のキム・ジェボム企画管理チーム長は「通話した記憶が無い。 推定するに、船舶事故の位置、救助過程などを話したように思う」として、具体的な内容は明らかにしなかった。 「乗客を救助するために本人は何をしたか」という特調委員の質問には「別に対策会議は行わなかった」とし「社長に報告する時、乗客の安全についての報告はしなかった」と答えた。 キム・チーム長は「大宇造船海洋とサムスン造船に船を引き揚げるための)クレーンを送ってほしいと電話した」とも答えたが、傍聴席でこの内容を聴いた遺族が「救助が先だ」と怒りをぶちまける場面もあった。 清海鎮海運が国家情報院の職員に接待費を支出した内訳も公開されたが、キム・チーム長は「行き来して会った際に食事代として支払ったものを書き込んだ。名節の時は国家情報院の職員が食事代を負担した」と答えると、傍聴席からヤジが飛んだ。
セウォル号の貨物過積載に関する内容も出てきた。 セウォル号の貨物固定を担当したウリョン通運の関係者たちは「貨物積載に関連した規定は見ていないし、船会社に言われるままにせざるをえなかった。 貨物がどれだけ積めるかは全く知らなかった」と証言した。 また清海鎮海運のナム・ホマン物流チーム長は「(事故当時)過積載を認識できなかった。貨物積載の確認は1等航海士の担当」と述べた。
清海鎮海運のキム・ハンシク社長とキム・ジョンス物流チーム次長は、初日に続いてこの日の聴聞会も出席を拒否した。 特調委は「関連法により告発などの措置をとる」と明らかにした。 聴聞会場に現れたナム物流チーム長など清海鎮海運の社員5人は、非公開審問を要請したため目隠し幕の後ろで証言した。 しかし、顔を隠した証人が不誠実な返答をするたびに、傍聴席からは「外に引き出せ」など、不満を込めた発言が相次いだ。