民弁の「情報公開請求」に非公開処分
民弁「根拠もなく開城工業団地の操業を中断した」
韓国側が開城工業団地事業で北朝鮮側に提供する資金が、北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)の開発に転用されたという政府発表の根拠を示すことを求める情報公開請求に、政府が「具体的かつ正確に確認するのは難しい」と回答した。
民主社会のための弁護士の会(民弁)のソン・ギホ弁護士は10日、「開城工業団地の労働者の賃金が北朝鮮の大量破壊兵器の開発に転用されたことを確認できる文書一覧などの公開」を求め、2月23日に提出した情報公開請求に対し、統一部が非公開処分を下したと述べた。
統一部は「開城工業団地の北朝鮮労働者たちに賃金の名目で支給する米ドルの現金が、労働党指導部に上納され、核とミサイル開発、政治的事業などに使われているということは、様々なルートを通じて把握」されたとしながらも、「核とミサイルの開発にどれほど使われたのかについて、具体的かつ正確に確認することは難しい」と説明した。
これに先立ち、ホン・ヨンピョ統一部長官は2月14日、「開城工業団地の労働者の賃金など、現金の70%が党書記室に上納され、核やミサイルに使われているものと把握された」と述べたが、翌日、国会で「証拠があるわけではない」と前言を翻し、波紋を広げた。統一部の今回の回答は、ホン長官が前言を翻してから朴槿恵(パククネ)大統領、黄教安(ファンギョアン)首相が相次いで強調した内容と大筋一致するものだ。
ソン弁護士は「当初、文書や資料の内容ではなく、文書の形式、名称またはリストに対する情報公開を請求したのに、統一部が『国家安全保障、国防、統一、外交関係などに関する国の重大な利益を著しく損ねるおそれがある』として、非公開の方針を通知した」と述べた。ソン弁護士は「統一部が文書の名前さえ明らかにしなかったのは、政府が開城工業団地全面中断を具体的な根拠なしで決定したため」と指摘した。
韓国語原文入力:2016-03-10 19:40