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米国防総省、THAADでソウル・首都圏防衛は困難

登録:2016-03-07 21:15 修正:2016-03-08 07:58
1999年に議会の要請で報告書 
1999年5月に米国防省の報告書で示された朝鮮半島の戦場範囲//ハンギョレ新聞社

「北朝鮮のミサイルは高高度に上がらない 
上層防衛システムでは迎撃できない」

http://fas.org/spp/starwars/program/tmd050499.htm  米国防総省が「高高度防衛ミサイル(THAAD)では北朝鮮のミサイルのソウル首都圏防衛は困難」と評価していた事実が明らかになった。 1999年の評価分析だが、THAADの迎撃高度など基本性能と概念は現在と大差なく、最近韓米間で推進されているTHAAD配備の軍事的効用性に疑問が提起されている。

 米国防総省は1999年5月、米議会の要請で作成したアジア・太平洋地域の戦域ミサイル防衛(TMD)構成オプション関連議会報告書で、「ソウルなど韓国の北側に撃たれた北朝鮮のミサイルは、高高度まで上がらない」とし「したがって上層防衛システムでは迎撃できず、低層防衛システムが必要だろう」と明らかにした。 報告書ではこの上層防衛システムを「THAADと類似したシステム」と説明している。 事実上、米国防総省がTHAADで韓国の首都圏を防衛できないと指摘したことになる。

 報告書は韓国、日本、台湾が弾道ミサイル防衛システムを構成するのに必要な要素を研究したもので、各国が配備できる多様な防衛システムの組合わせとその効果を中心に分析した。 報告書は韓国防衛のために地上配備型の低層防衛システム(パトリオット PAC3)、地上配備型の上層防衛システム(THAAD)、海上配備型の低層防衛システム(海軍地域防衛)、海上配備型の上層防衛システム(SM3)の5種類の方案を組み合わせて検討した。 ただし報告書は「言及された低層および上層防衛システムは当時開発中の米国のミサイル防衛システムと似てはいるが完全に一致はしない」という但し書を付けた。

 当時の分析によれば、韓国の防衛用にパトリオットPAC3のみを配備するなら25の砲隊が必要だとした。 海上基盤の低層防衛システムのみを導入した時は、海岸から外れた内陸の人口密集地域を防衛できないという分析結果が出た。

 上層防衛システム(THAAD)を配備すれば、4個砲隊に加えて低層防衛システムの7砲隊を共に配備しなければ(北朝鮮の)短距離弾道ミサイルから韓国全域を防衛できないと分析した。 さらに「THAADのような大気圏・外気圏の上層防衛システムは、大気圏最小迎撃可能高度のために韓国北部地域を脅かすミサイルを迎撃できないだろう」と明示した。

 報告書は縦深が短い朝鮮半島の地理的特性ゆえに北朝鮮が使用できる弾道ミサイルの射程距離は制限されると指摘した。 韓国の人口の25%以上が居住するソウルが非武装地帯(DMZ)から40キロメートルしか離れていないので、報告書で検討したすべての弾道ミサイルの射程圏内に入っていると説明した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/733718.html 韓国語原文入力:2016-03-07 19:37
訳J.S(1267字)

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