在韓米軍司令官、下院軍事委員会に出席
「THAAD実務団1週間以内に最初の会議」
ケリー国務長官の 「急がない」発言と異なる
韓国国防部「待ってみよう」とだけ
米国側の方針を待つばかりの立場に転落
ラッセル東アジア太平洋担当次官補の26日訪韓に注目
カーティス・スカパロッティ韓米連合司令官兼在韓米軍司令官が24日(現地時間)、最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の朝鮮半島配備を進める意向を明らかにした。前日ジョン・ケリー米国務長官が速度調節の可能性を示唆したものとは異なる立場だ。米外交当局と軍事当局との間に意見の隔たりがあるのではないかと分析される。
スカパロッティ司令官は同日、米下院軍事委員会に出席し、「両国の共同実務団がこれから1週間以内に最初の会議を開く」と述べた。これは、23日に米中外相会談を控えて突然延期された韓米共同実務団運営規約の締結を、再び進めるということだ。軍当局は、規約を締結してから、韓米共同実務団を公式稼働し、THAAD配備問題を協議する計画だった。
スカパロッティ司令官は、「THAADは複雑なシステムだ。したがって、最適の場所を見つけるのに時間がかかる」とした上で、「どこにTHAADを配備するのかによって、効果が異なるからだ」と述べた。彼は「最適の場所を見つける必要があり、(在韓米軍)駐屯軍地位協定(SOFA)に準拠して進めることになるだろう」と付け加えた。
しかし、前日のケリー米国務長官は、王毅・中国外交部長と会談を終えた後、「私たちはTHAAD配備を急いでいるわけでも、焦っているわけでもない」、「(THAAD配備は)まだ決まっていない」として、一歩引いた態度を示した。ケリー長官は「北朝鮮を非核化するなら、THAAD配備も必要ない」と述べ、北朝鮮核問題の解決に向けた中国の協力とTHAAD配備を連携して処理する意向を明らかにした。
米高官が(同事案をめぐり)24時間以内に異なる立場を表明するのは異例のことだ。米国務省と国防総省の間にTHAAD配備と関連して意見の相違があるのではないかという分析が出てくるのも、そのためだ。軍事当局は北東アジアの軍事戦略としてTHAADの朝鮮半島配備を進めているのに対し、外交当局は、北朝鮮の核問題などの外交懸案を解決するために、米中協力を優先しているのではないかということだ。特にスカパロッティ司令官は、THAAD配備を米国政府に要請した張本人で、THAAD配備に意欲的であると知られている。
韓国国防部は、米国政府からこのように異なるメッセージが出てくる背景に神経を尖らせている。軍当局者は「米中外相会談以降、THAADの運命は断言できない状況になったようだ。すぐに状況が片づけられると思う。待ってみよう」と述べた。国防部は7日、THAAD配備をめぐる韓米公式協議の開始を宣言し、「韓米同盟として決定した」と公言したが、突然、同盟ではなく米国の立場表明を待つばかりの状況に陥ったのだ。
こうした中、ダニエル・ラッセル米国務省東アジア太平洋担当次官補が26日から27日まで訪韓する予定であり、注目が集まっている。チョ・ジュンヒョク外交部報道官は25日の定例ブリーフィングで、ラッセル次官補の訪韓が「韓米がかなり話し合ってきた日程」と述べたが、米中外相会談後、急いで用意されたものと見られる。ラッセル次官補の突然の訪韓は、ケリー国務長官と王毅・外交部長との23日会談の結果を韓国政府に説明し、特にTHAAD配備問題に関連し、(新たに)調整する必要があるという米政府の判断によるものとみられる。
韓国語原文入力:2016-02-25 19:34