西江大生キム・グンウ氏、ムン・サンドク氏
4・13総選挙前にホームページ公開
「発言を翻せないように」
政治家には警告、有権者には情報
「政治家たちに、自らの発言に対して責任を負わせる方法はないか」
今年1月、大学生のキム・グンウ氏(24・西江大経営学)とムン・サンドク氏(25・西江大社会学)は、有利か不利かにより、その都度言葉を替えて社会の現実を歪曲する政治家たちを見て、こんな疑問に突き当たった。 秒単位で変わるリアルタイム検索語順位の中に埋もれ、政治家の重要な約束や発言が意味を持たないまま揮発してしまう状況にもどかしさを感じた二人は、現代版「史官」を自任して名乗り出た。
大統領はもちろん国会議員、長官など主要政治家たちのこれまでの発言を時間帯別に集め、「言葉」の変遷史をひと目で分かるように整理した『ヘル朝鮮政治実録』を作ることにしたのだ。 これを通して政治家の一貫性や責任性を問うことができるようにするというのだ。「私のように政治のことがよく分からない人間は大部分、政治家の『言葉』を土台にその人を判断するじゃないですか。市民が (政治家の発言を整理した)タイムラインに目を通し、その人の信念と態度を類推し、自分を代理する政治家を選択できるように手助けしたいのです」。 キム氏は「へル朝鮮政治実録」を作ることにした理由をこのように説明した。
二人が最初の作業対象にしたのは朴槿恵(パククネ)大統領だ。 国務会議議事録、首席秘書官会議議事録、「青瓦台テレビ」の動画、ポータルサイトのニュースライブラリサービスに載るマスコミ報道などをくまなく探して、朴大統領の母親の死亡後、事実上の「ファーストレディー」の役を務め始めた1975年から今年1月の新年記者会見発言までを掻き集めた。ムン氏は「朴大統領のハンナラ党(当時野党)代表時代の国家保安法関連発言をよく読むと、保安法問題について相手の党との交渉可能性を開いておいたということが分かる。しかし大統領になった今は、テロ防止法に反対する議員がフィリバスターまでしているのに、交渉どころか不疎通で一貫していて、あくまで押し切ろうとしているではないか。処した立場によって行動が異なるのは矛盾しているという気がした」と語った。
立場が替わるのは朴大統領だけではない。「韓国が同性結婚を合法化する最初のアジア国家となったらいいと思います」(2014年米国サンフランシスコの地域新聞とのインタビュー)と話していたバク・ウォンスン・ソウル市長は、同年末に長老教会役員と会った席では「ソウル市長として同性愛は支持できない」と言葉をすり替えていた。
キム氏は「状況によって態度が変わる政治家たちの姿を見ながら、韓国の政治は信念がないという気がした」と語った。 その思いの一方で、「実録を作ることにより政治家たちが言葉を翻せないように“圧迫”することができるだろう」という考えも大きくなった。二人は4・13総選挙を控えた3月末、ヘル朝鮮政治実録ホームページを公開し、来年の大統領選挙まで編纂作業を続ける予定だ。 政治家には“警告”を送り、有権者には“情報”を提供するためだ。
ただ単に散らばっている資料を整理するだけのように見えても、実録編纂作業は思ったより手間のかかる作業だ。 二人は近く公開されるサイトに「情報提供」欄を設ける予定だ。 誰もが参加して政治家の誤った発言を記録しようという思いからだ。キム氏は「参加を通して、私と同様に“政治に無知な人”たちも実録を一緒に作っていけたらいいと思う」と話した。
韓国語原文入力:2016-03-01 20:53