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朴大統領、三一節演説で北朝鮮圧迫の継続を強調

登録:2016-03-02 03:40 修正:2016-03-02 07:29
朴槿恵大統領が1日午前、ソウルの世宗文化会館で開かれた97周年の三一節記念式典で演説している=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

「対話への扉を閉めることはないが... 」 
核実験以来初めて「対話」に言及 
「日本、過去の過ちを忘れないように努めるべき」 
慰安婦合意は短く言及

 朴槿恵(パククネ)大統領は1日、97周年の三一節記念辞で、北朝鮮核問題、南北関係、日本軍「慰安婦」問題などと関連し、新しい政策やメッセージを打ち出すことはなかった。北朝鮮の核問題に対しては制裁と圧迫の継続を強調し、日本軍「慰安婦」問題に関しては「12・28合意」を「そのまま実践に移すこと」を日本政府に求めた。これまでのメッセージを繰り返した上で、再度強調した。ただし、北朝鮮の核問題と関連して「対話」に触れた部分は、目を引く。朴大統領が北朝鮮の4回目の核実験以降、公式の講演や発言で南北関係と関連して対話を口にしたのは、今回が初めてだ。

■北朝鮮に対する制裁・圧迫を重ねて強調

 朴大統領は「北朝鮮が非核化の意志を見せず、変化を拒否している限り、私たち(韓国)と国際社会の圧力は続くことになる」とし「北朝鮮が必ず核を放棄せざるを得ないように働きかけていく」と述べた。朴大統領は「もはや選択は、北朝鮮にかかっている」と強調した。また、国連安全保障理事会(安保理)の新しい対北朝鮮制裁決議案の採択は、「国際社会の断固たる意志が凝集されたもの」とした上で、「朝鮮半島を取り巻く周辺国も、朝鮮半島と世界の平和のための道に積極的に参加するものと信じている」と述べた。中国とロシア政府に対し、北朝鮮制裁への積極的な参加を呼びかけたのだ。

 北朝鮮核問題に関する朴大統領の同日の言及は、2月16日の国会演説の延長線上にあるが、「北朝鮮政権を必ず変化させる」など、「北朝鮮政権交替論」や「北朝鮮崩壊論」といったアプローチを貫いた国会演説より、やや控えめな表現が使われた。特に、「北朝鮮が非核化の意志を見せず、変化を拒否している限り、私たちと国際社会の圧迫は続くことになる」という発言の前に、「これから政府は、(北朝鮮に対し)対話への扉を閉めることはないだろう」と明らかにした内容がそれに当たる。今は「制裁に集中するとき」という認識に変わりはないが、会話の余地を根本的に排除することはないというメッセージと思われる。

■日本軍「慰安婦」問題と「12・28合意」の履行を強調

 三一節記念辞の中核となる日本に対するメッセージは、北朝鮮へのメッセージに比べ強度と比重が著しく低い。朴大統領は、「政府は、慰安婦被害者一人ひとりの名誉を回復し、心の傷を癒すと共に、実質的な支援を拡大することに最善を尽くす」とし、「12・28合意」の履行への意志を強調した。また、「日本政府も、過去の過ちを忘れずに、今回の合意の趣旨と精神をそのまま実行に移し、将来の世代に教訓として記憶されるように努めるべきだ」と述べた。慰安婦被害者のキム・ボクドンさんやキル・ウォンオクさんをはじめとする、多数の被害者ハルモニ(お婆さん)と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの市民団体が求めている、「12・28合意」の無効化や再交渉は全く考えていないということだ。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-03-01 19:31

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/732827.html 訳H.J

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