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[社説]朴槿恵外交の失敗が確認された三一節演説

登録:2016-03-02 06:42 修正:2016-03-02 07:27
朴槿恵大統領が1日午前、ソウルの世宗文化会館で開かれた97周年の三一節記念式典で演説している=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)大統領が、97周年の三一節(3.1独立運動記念日)演説を通じ、北朝鮮の核や日本軍従軍「慰安婦」問題に対する立場を明らかにした。しかし、すでに矛盾が如実にあらわれている既存の政策を再確認するレベルであり、限界は明らかだ。そのうえ記念演説の内容の半分ほどを国内の政治問題に割き、3.1運動の意義を色褪せさせた。

 三一節は国民の皆が素手で日本帝国主義の銃刀に対抗した「3・1革命」を記念する日だ。日本の右翼勢力が過去の誤りを否定する動きを強化するところに、日帝の残滓の清算も完遂できない点でも3.1運動の意義は残っている。にもかかわらず朴大統領は、過去の問題について極めて簡単に言及するに終わった。それも「日本の従軍慰安婦問題の最終的・不可逆的解決」を宣言した12・28の合意を擁護する内容がすべてであった。これだけでも、この合意がいかに大きな誤りであるかを知ることが出来る。日本の態度はほとんど変わっていないのに、我が韓国政府だけが自ら口にふたをした格好になっているためだ。

 朴大統領は核問題について「既存の対応策では北朝鮮の核開発の意思を曲げることはできないという事実が明白になった」として、開城工業団地の閉鎖などの強硬策を押し進めるという意志を再確認した。しかし、それで核問題を解決できるというのだろうか。また我々がさらに何ができるかなどに関しては新しい内容を全く提示できなかった。

 それなのに朴大統領は「北朝鮮の非核化の意思」を前提条件に付けはしたものの、北朝鮮の核実験以降初めて「対話の門を閉じはしない」と語った。大統領府が主導して押し進めている「強硬独走外交」の矛盾が大きくなる中で、対話を通じた解決策の摸索の余地を残した恰好だ。このような動きが実効性を持つには、韓国が先に立って米国や北朝鮮を説得して対話の場を作らなければならない。

 朴大統領が北朝鮮の核問題の究極的解決策として「朝鮮半島の平和統一」について言及したのは、政治的意図が強い、いわゆる「統一大当たり」論の焼き直しに過ぎない。朴槿恵政府の開始以後、南北関係を見ても、統一の過程についての真剣な悩みや努力がない統一大当たり論は、統一の障害になるだけである。

 朴政権は最近になり、北朝鮮や日本や中国に対する各外交ですべて失敗している。その結果、いっそう不安になった朝鮮半島情勢の中で韓国の国際的位置づけも危うくなっている。朴大統領はそれを認めて新しい道を模索していくべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/03/01 19:22

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/732810.html 訳T.W

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