本文に移動

黙秘権行使で証拠隠滅の憂慮…韓国検察の逮捕状請求を地裁が棄却

登録:2016-02-19 07:33 修正:2016-02-19 07:41
「供述拒否権の行使がなぜ拘束事由になるのか」
「民衆総決起大会」が開かれた昨年11月14日、ソウル光化門広場近隣で警察が車壁を作り放水銃を撃って市民の行進を阻んでいる =キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 警察と検察が「黙秘権を行使して証拠隠滅が懸念される」として集会参加者に対し逮捕状を請求し、裁判所に棄却された事実が明らかになった。「供述拒否権」は法が保障する被疑者の権利だ。基本も知らない検警の無理な逮捕状請求に批判が起きている。

 議政府(ウィジョンブ)地方検察庁は、昨年11月14日の第1回民衆総決起に参加しロープで警察バスを引き寄せたとする疑い(共用物損傷と解散命令無視)で、大学生のクォン氏(19)に先月25日、逮捕状を請求した。検察は裁判所に逮捕状を請求し、「捜査機関は証拠がなければ起訴できないので黙秘権を行使せよ」という民弁(民主社会のための弁護士会)の諮問を受け、クォン氏が調査に黙秘し続ける態度で、まったく反省の気配を見せていない」、「家宅捜索の過程で集会時に着用した服装と靴などが同一であることが発見されても引き続き黙秘するなど、証拠隠滅・逃走の恐れがあると判断される」などの理由を挙げ、クォン氏拘束の必要性を強調した。これに先立ちクォン氏を捜査した南楊州(ナムヤンジュ)警察署も、同じ理由でクォン氏を拘束すべきと検察に逮捕状を申請していた。

 しかし先月27日、議政府地裁で開かれた拘束前被疑者尋問(令状実質審査)で、裁判所は「証拠隠滅と逃亡の恐れがあるとは認められず、19歳の少年のクォン氏を拘束しなければならないやむを得ない事由があるとは見なせない」と検察の請求を棄却した。供述拒否権は憲法と刑事訴訟法が保障する被疑者の権利との趣旨が反映された。クォン氏の国選弁護人として令状実質審査に参加した弁護士は「令状実質審査当時、裁判長も『刑事訴訟法上の供述拒否権を行使したのがなぜ拘束事由になるのか』と捜査官たちに非難するよう尋ねた」、「『民弁』が民間弁護士を意味することを知っている大学の新入生であり、単純な集会参加者にすぎないクォン容疑者に逮捕状まで請求した捜査機関の行動に驚いた」と批判した。

 議政府地検関係者は無理な逮捕状請求との指摘に「警察が申請した逮捕状の内容には理由があると判断し裁判所に請求した」とだけ答えた。南楊州で関係者は「進行中の事件なので答えられない」と返事を控えた。

キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-19 01:07

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/731144.html 訳Y.B

関連記事