警察がソウル南大門(ナムデムン)警察署に収監されているハン・サンギュン民主労総委員長に対する国際労働組合総連盟(国際労総)側の接見申請を「証拠隠滅の恐れ」を理由に許可しなかった。民主労総は不合理で反人権的な処置だとして反発した。
16日、民主労総と警察によると、国際労総アジア太平洋組織(ITUC-Asia Pacific:ITUC-AP)の鈴木則之事務総長は、今月14日午後1時頃、民主労総国際局を通じてハン委員長と面会したい旨を伝えてきた。ハン委員長の弁護人チャン・ジョンオ民主労総法律院弁護士は15日午後1時30分頃、直接南大門署を訪れて接見申請書を提出したが、警察は16日午前8時40分頃、携帯メールで不許可を通知した。
南大門署関係者は、ハンギョレとの電話インタービュで接見を許可しなかった理由について、「刑事訴訟法91条に基づき、証拠隠滅と通謀(密かに連絡を取り共謀する意味)の恐れがあるため、許可しなかった」とし「家族を除く一般人の面会は許していない」と話した。
チャン・ジョンオ弁護士は「国際労総の加盟労組委員長のうちハン委員長だけが拘束されており、鈴木総長が連帯の意思を伝えると共に、ハン委員長の状態を間近で確認するため、接見申請を行った」とし「ハン委員長が拘束された事件とは何の関係もない外国人との接見なのに、証拠隠滅と通謀を理由に許可しないなんて、本当に呆れた話だ」と述べた。チャン弁護士は「このままだと、受刑者の接見権が広範囲に渡って制約されることになる」と付け加えた。パク・ソンシク民主労総報道官も「被疑事実が確定されていない限り、ハン委員長の人権を無視した権威主義的な決定」だと批判した。国際労総は全世界162カ国328の労働組合、1億7600万人の労働者が加入している世界最大の労働組合団体だ。
一方、民主労総は同日、金属労組を中心に一日ゼネストを行った。民主労総は「この日のゼネストに現代自動車、起亜自動車、韓国GMなどの完成車支部3社が参加した」と明らかにした。金属労組の中核である完成車3社の労組が共にゼネストを行ったのは、2008年の韓米自由貿易協定(FTA)阻止ストライキ以来、7年ぶりのことだ。
韓国語原文入力: 2015-12-16 20:04