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韓米、北朝鮮ミサイルの脅威を誇張しTHAAD配備正当化

登録:2016-02-15 00:34 修正:2016-02-23 07:08
去る8日、米国テキサス州でC17輸送機を利用して移送された米軍のパトリオット(PAC3)ミサイル部隊が京畿道烏山空軍基地に追加配備されている=在韓米軍司令部提供//ハンギョレ新聞社

「北朝鮮の移動式ICBM部隊KN08編成」報道に 
合同参謀 「聞いていない」 
米軍、パトリオットを異例の追加配備
訓練終了したら、米国に帰還

 韓米軍当局が、裏では北朝鮮のミサイルの脅威を誇張した情報をメディアに流しながら、表ではパトリオットの追加展開など、強力な対北朝鮮軍事対応措置を誇示している。在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の正当化に向け、情報操作のための陽動作戦を行っているものと分析される。

 国内の一部メディアは14日、匿名の政府筋を引用して、「北朝鮮軍が最近、ミサイル部隊を総括指揮する戦略軍に移動式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)部隊のKN08旅団を編成したことが分かった」と報じた。しかし、合同参謀本部(合参)公報室は、この報道の真偽を尋ねる記者団に、「その可能性は排除できないが、そのような情報は聞いていない」と事実上否定した。公にしにくい敏感な機密情報をマスコミにリークした後、公開的に否定する「ヒット・アンド・アウェイ」で、マスコミを通じて不確実な情報を既成事実化させ、友好的な世論作りに乗り出すためのものと見られる。

 KN08旅団に関しては2014年10月にも報道されたことがある。国民日報は当時、軍関係者を引用し、「北朝鮮軍の戦略軍司令部の傘下にスカッド、労働、無水端、KN08ミサイルの4つの旅団などがある」と報じた。さらにKN08ミサイルは、韓米軍当局が射程距離1万キロメートル以上と推定する大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。在韓米軍のTHAAD配備とは関係ない。

 KN08ミサイルは2012年4月15日、故金日成(キムイルソン)主席の誕生日記念軍事パレードで、車輪が16ある中国製大型ロケット発射車両に載せられて、初めて公開された。当時、中国の製作会社は、国連安全保障理事会決議への違反が問題になると、「木材の輸送用に6台を北朝鮮に販売した」と釈明した。それ以降、国連の監視が強化され、中国もこれらの車両の北朝鮮への流入を統制せざるを得なかったことから、北朝鮮がこれらのロケット発射車両を追加搬入することは困難と思われる。

 これに先立ち、在韓米軍は前日に報道資料を通じて、ミサイル防衛用のパトリオット(PAC)3ミサイル1個砲隊を韓国に追加展開したと発表した。PAC3は、迎撃高度は40キロメートル以下の低層防衛用で、高層防衛のTHAAD(迎撃高度40〜150キロメートル)と共に、多層防衛を構築するシステムとして知られている。

 在韓米軍がPAC3を韓国に追加展開して訓練するのは初めてであることが分かった。このような異例の軍事行動は、在韓米軍の最近のTHAAD配備決定を直接的かつ間接的に裏付ける雰囲気作りのためのものと見られる。

 在韓米軍はすでに烏山(オサン)基地などの2大隊にPAC3を配備している。在韓米軍は、今回韓国に入ってくるPAC3の砲隊が「米国テキサス州ポート・ブリスにある米第11防空砲旅団43防空砲連隊の1大隊D砲隊」だと発表した。在韓米軍関係者は、「今回追加展開されるPAC3砲隊は永久駐留するものではなく、烏山で米第35防空砲旅団と共に防衛訓練を行った後、本国に帰る」と述べた。

 韓米はすでに来月7日から4月30日までキーリゾルブ・イーグル合同演習を史上最大規模で実施する計画だと明らかにした。米軍は、核推進空母、原子力推進潜水艦、イージス艦などで構成された空母強襲団と、ステルス機F22、B2などの参加を検討していることが分かった。北朝鮮に対する武力誇示と言われているが、南北間の軍事緊張の高まりは、THAAD配備問題の焦点をぼかす効果をもたらしている。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-02-14 21:18

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/730351.html 訳H.J

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