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韓国警察庁、デモで負傷した警察官を前面に主催団体へ“報復性”損害賠償訴訟

登録:2016-02-01 00:51 修正:2016-02-01 06:24
昨年11月の民衆総決起集会関連 
「民衆総決起大会」が開かれた昨年11月14日、ソウル光化門広場近隣で警察が車壁を作り放水銃を撃って市民の行進を阻んでいる =キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

警察専門担当組織で被害内訳最終まとめる 
法務部・検察協議後、今月中に損害賠償訴訟 
「基本権の制約のために税金の乱用、類を見ない」

 警察が昨年11月14日の民衆総決起集会と関連して、集会主催団体などを対象に、4億ウォン(約4010万円)に迫る損害賠償請求訴訟を準備していることが分かった。

 31日、警察庁とソウル地方警察庁の関係者の話をまとめると、警察は昨年、1次民衆総決起集会の過程で破損した警察車両や装備など、3億2000万ウォン(約3208万円)とデモ隊の暴力でけがをした警察や義務警察の治療費と慰謝料として、4000万ウォン(約401万円)などを集会主催側の請求する方針だ。警察は、集会当時の被害の内訳を最終的にまとめ、法務部や検察などとの協議を経て、今月中に裁判所に訴状を提出する計画だ。

 警察側は、今回の訴訟の主務を、弁護士資格を持つ警察官などで組織されたソウル庁警備3系が担当し、警察庁規制改革、法務担当官室などが補助する方式で進められると発表した。特にソウル庁警備3系は、集会の際に負傷した警察官の個人訴訟も代理する計画だ。警察官が勝訴した場合、彼らへの慰謝料は警察官個人に支払われるだけに、警察官個人の弁護士費用を国が肩代わりすることになる。

 ソウル庁側は「警察官個人の同意を得て訴訟を進める予定であり、訴訟自体もお金が目的ではない」として、問題にはならないという立場を示した。しかし、警察という公の組織が組織員(警察官)を前面に出して、市民に対する“報復性”訴訟を勧めているという批判の声もあがっている。特に今回の訴訟を担当するソウル庁警備3系は、「集会・デモの管理の過程で、人権を保護し、堂々と法律を執行できるように、常時的な法律支援」を行う目的のために、2014年11月に発足した組織だ。しかし、昨年4月18日と5月1日に開かれたセウォル号事故関連集会を開催した「4月16日の約束国民連帯」(416連帯)などの団体と代表者に対し訴訟を起こすなど、集会参加者に対する民事訴訟を提起することを主な業務としている。

 ソ・ボハク慶煕大学法科大学院教授は、「警察が集会参加者などに対し民事訴訟を乱発するのは、法と訴訟を脅威の手段とし、憲法上保障された集会の自由と表現の自由を制約する、非常に誤った公権力の行使」とし、「国民の税金で運営されている国家機関が、国民の基本権を制約するために税金と権限を使うのは、国民主権主義にも反することで、先進国で同様の事例を見つけるのは難しい」と批判した。

パク・テウ、パン・ジュンホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-31 20:04

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/728688.html 訳H.J

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