本文に移動

韓国政府、在韓米軍からペスト菌搬入の通報受け6カ月間隠蔽

登録:2016-01-21 23:36 修正:2016-01-22 06:19
民主弁護士会、疾病管理本部の文書を公開 
炭疽菌 //ハンギョレ新聞社

米軍、昨年4月搬入時に明記 
5月には炭疽菌・ペスト菌など通知 
韓国政府は調査発表時まで口を閉ざす

 韓国政府が昨年、在韓米軍のペスト菌搬入を知りながら6カ月間公表しなかったことが21日に確認された。 この事実は「民主社会のための弁護士会」(民弁)が疾病管理本部に情報公開を請求し最近受け取った在韓米軍の文書をこの日公開して明らかになった。

 在韓米軍が昨年6月1日に疾病管理本部に提出した配送および通関文書によれば、米軍は輸入申告書に「2015年4月24日に発送し2015年4月26日に仁川空港を通じて入港した物品」として「炭疽菌」と共に「ペスト菌」と明記していた。 また、これらの配送物資に対して「医学用品」(medical supply)と付記し、配送地は「烏山(オサン)基地」と明示していた。

 米国防総省は昨年5月28日、烏山基地などに送った死菌処理された炭疽菌が生きている可能性があると発表し、同日在韓米軍はその事実を韓国政府に通知した。 当時、問題が大きくなり在韓米軍が炭疽菌以外に他の菌体も搬入したのではないかという疑いが提起された。 このような疑いに対して在韓米軍はもちろん韓国政府も6カ月間口を閉ざし、昨年12月に韓米合同調査結果を発表して遅れて公開した。

 しかし今回公開された文書は、韓国政府は論議が起きたわずか4日後に、在韓米軍から炭疽菌だけでなくペスト菌も搬入したことを通報され知っていたことが明らかになった。 ソン・ギホ弁護士は「政府のこのような態度は感染病が発見されると同時に即公開することを定めている『感染病の予防および管理に関する法律』違反」と話した。 疾病管理本部の関係者は「ペスト菌は炭疽菌とは異なり胞子形成ができにくく容易に死ぬ特性があるため生きている可能性はほとんどない」として「このように危険度と感染憂慮がないので(搬入事実を通報されても)直ちには公開せず、炭疽菌搬入の事実を最終発表する時にこれを公開したと見る」と弁明した。

 当時問題になった炭疽菌は、昨年4月24日に米国からFX5230便(フェデックスの貨物輸送機)に載せられ、2015年4月26日に仁川に到着し、3日後の29日3時9分に烏山米軍基地に配達された。 ソン弁護士は「問題の炭疽菌はフェデックスの配送照会の特別取り扱いセクションに『平日配達』、『ドライアイス』とだけ表示されていた」として「当時、フェデックスの荷物取り扱い職員たちが『感染性物質』として特別に取り扱うことを告知されていなかったと見られる」と話した。

 この他に在韓米軍が疾病管理本部に提出した炭疽菌廃棄記録は、炭疽菌が3個のガラス瓶容器に含まれていたと記述している。 また、韓国国防部は「米軍側要人に確認した結果、当時炭疽菌およびペスト菌の配達事故で懲戒を受けた在韓米軍の軍人はいなかった」と明らかにした。

パク・ビョンス先任記者、イ・チャンゴン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/727303.html 韓国語原文入力:2016-01-21 19:28
訳J.S(1376字)

関連記事