マーク・リッパート駐韓米国大使は言葉を控えていた。彼は、高高度防衛ミサイル(THAAD)の朝鮮半島配備、韓日間の歴史認識問題、在韓米軍の炭疽菌搬入問題など、韓米間に潜むいくつかの敏感な原案について、原論的な言及に徹してきた。ただ、時によって遠回しに本音を言う場面もあった。THAADと関連し、中国が反対する理由を尋ねる質問に「なぜ(中国が)韓国を防衛しようとするシステムについて、また、韓国の主権的決定について問題を提起しているのかは、中国に訊くべきだ」と述べた。THAADは韓国防衛の目的であると強調し、中国の公開的な反発に対する不満を示したものとみられる。今回のハンギョレとのインタビューは24日午後、ソウル・貞(チョン)洞にある大使館「ハビブ・ハウス」で約50分にわたって行われた。
THAAD関連しいかなる推測も控える
韓日間の過去の歴史問題の解決策を促す
慰安婦被害者たちに会う意向ある
アン・スミョン博士へのハッキング疑惑
ワシントンに訊くべき問題
- THAADの朝鮮半島配備について韓米間の議論はいつ公式化することになるのか?
「これまでの言及に付け加えることはない。また、公式の交渉と関連した推測も控えたいと思う」
- 今月初めフランク・ローズ国務省次官補が韓国に訪問した際、THAAD問題に関連する協議があったのではないか?
「断定的に『ノー』と言える。私の知る限りでは、いかなる議論もなかった」
- 中国政府は、なぜTHAAD問題で反発していると思うか。
「中国の反応については、中国政府に訊かなければならない。韓国人たちと韓国を防御することを目的とするシステムについて、なぜ問題を提起しているのか、また、韓国が自らの防衛のために下す主権的決定について、なぜ韓国を公開的に圧迫して問題を作っているのか」
- THAADが北朝鮮の核に対応するためのものなら、北朝鮮の核への対応協議の一環として、中国とTHAAD問題を議論できるのか?
「まだ早い。米国国内でもこの問題と関連して踏まなければならない手続きがあり、韓国もそれなりの国内手続きがある。推測したくはないが、私たちは、北朝鮮と関連し、中国の友達といつも対話をしている」
- 韓国が中国寄りだとする米国の一部の見方についてどう思うか?
「私たちは、ソウルと北京の良好な関係を歓迎する。ワシントンと北京の良好な関係を歓迎するようなものだ。これはゼロサムゲームではない」
- 中国は9月3日戦勝節行事に朴槿恵(パク・クネ)大統領を招待した。これについてどう思うか?
「主権国家の大統領が他の国に行くか否か、どのような記念行事に出席するのかは主権的な決定だ。韓国政府が決める問題だ」
- ユン・ビョンセ外交部長官が朴大統領の米国訪問の際、北朝鮮の核関連の重要な合意があると予告した。
「私たちがどこに向かっているのかに対する確固たる再確認が行われる予定だ。北朝鮮問題は非常に重要な問題であり、いくつかの議題の中で最優先議題に位置づけられている」
-7月27日は停戦協定締結62周年となる日だ。南北は停戦体制から平和体制へと進まなければならないと指摘されている。
「現在必要なのは、北朝鮮を交渉のテーブルに呼び戻すことだ。オバマ政権は、イラン、キューバ、ミャンマーなどの事例でも見られるように、解決困難な問題を相手国とともに解決しようと努めてきた。北朝鮮とも同じ方式で臨めることを願う」
- 多くの韓国人たちは、米国が韓米日三角共助のために韓日間の歴史問題における和解の必要性を訴えていると考えている。
「私たち(米国)は、正式な調停ではないが、両国が、両国の国民を満足させ、治癒と和解となる解決策を見つけるように促している」
- 合意のためには、日本が前向きな態度をとるべきだと思うのか?
「オバマ大統領は昨年4月、韓国に来て軍慰安婦問題について『当時の女性たちの処遇は衝撃的であり、正確かつ明らかに何があったのかが知られなければならない』と述べた」
- 慰安婦被害者たちと会う予定はあるのか?
「もちろんだ。軍慰安婦被害者たちがワシントンに来たとき、国務省の私の同僚が彼女らに会って、その出会いを高く評価していた」
- 最近のイタリアのハッキングチームのデータ流出事件で、国家情報院がハッキングを試みた対象に米国国籍の韓国人科学者アン・スミョン博士が含まれていた。韓国政府がテロ対策·対北朝鮮で疑いを持っているが。
「その部分は、ワシントンに訊かなければならない問題のようだ」
- 在韓米軍の炭疽菌配送事件と関連しSOFA改正の必要性を提起する声が高まっている。
「私たちは、この問題を非常に深刻に受け止めている。ロバート・ワーク国防省長官の声明に、特に付け加えることはないが、今後、非常に積極的な処方を出す計画だ」
- 先月、米連邦最高裁判所が同性愛者の結婚に合憲決定を下した直後、米大使館がソウルのクィア文化祭に直接参加したことで話題になった。
「その祭りに米大使館が参加したのは今年で2回目だ。私たちは、基本的人権と法的機会均等への支援が大切だと思ってきた」
- 韓国内では反対の世論もあるが?
「それが民主主義だ。人によって見方は異なる」
リッパート大使は、今年4月に生まれて百日目を祝う食い染めパーティをした息子の「ジェームズ・ウィリアム・セジュン」の話をするときは、明るい笑顔を浮かべた。
- セジュン君は元気にしているのか?
「元気一杯だ。問題は、あまり眠ろうとせず、常に遊びたがっていることだ。 (韓国語で)私は非常に疲れています。なぜなら、セジュンが夜でも遊び続けたいです(遊び続けたがります)から(笑)」
韓国語原文入力: 2015-07-26 22:40