今月18日、ソウル麻浦区韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)事務所に書留一通が届いた。差出人には「ある大韓民国の主人」と書かれていた。封筒の中にはA4用紙6枚分の手紙と10万5000ウォン(約1万円)の郵便為替証書1枚が入っていた。手紙を送った人は「12年前、運営していた事業が不渡を出し、2006年から運転代行をしている」と自己紹介をしてから、「今回の韓日交渉後、数日間怒りを感じずにはいられなかったが、それにとどまらず、小さなことでも実践に移したいと思い、お金を送ることにした」と打ち明けた。 10万5000ウォンは、彼が2016年1月1日に稼いた収入の全額だった。彼は「日本政府が提示した10億円に代わって、私たち国民自身が募金運動を繰り広げることになれば、今後も参加する」と付け加えた。
昨年の12・28韓日「慰安婦」合意以降、被害者ハルモニ(お婆さん)たちの真の名誉回復に直接乗り出す市民の温かい声援が続々と届いている。日本政府から拠出される予定の10億円を拒否し、市民社会団体が直接被害者の福祉と真相究明をするために推進する「正義と記憶財団」に力を貸そうということだ。
「日本軍『慰安婦』の正義と記憶財団推進委員会」(定義記憶財団推進委)は19日、日本軍慰安婦被害の真相究明と被害者の福祉に使われる資金を作るための募金運動を始めてから5日間で、529人から5204万ウォン(約509万円)の基金が集まったと明らかにした。383の市民団体と個人335人は今月14日、「韓日の日本軍『慰安婦』合意無効と正しい解決のための全国行動」(全国行動)を組織し、「慰安婦」問題の徹底した真相究明などを行う正義記憶財団推進委員会を発足することにした。推進委員会は、市民一人当たり1万ウォン以上の寄付に参加する形で、100万人の財団出損団を募集している。
最初に寄付に乗り出した人は被害当事者であるキム・ボクトンさんだ。キムさんは「法的賠償ではない、日本政府の10億円は受け取らない」として、15日に最初に出捐金100万ウォン(約9万8000円)を正義記憶財団に寄託した。
昨年11月、ソウル市中区のフランシスコ教育会館に直接「慰安婦」少女像を建てた梨花女子高校歴史サークル「拳斧」所属の学生たちも、今月18日に100万ウォンを推進委員会に送った。少女像建立活動が認められ、女性家族部から「青い成長対象サークル部門大賞」受賞の際にもらった賞金を財団設立のために寄付したのだ。また、日本人のオザワ・タカシ氏夫妻が「日本人でも参加できるのか」と、寄付の意思を示すなど、国内外からも寄付が続いた。
ユン・ミヒャン挺対協代表は「今回の韓日合意の問題を被害当事者や少数の人々だけが感じているのではなく、各界各層の多様な市民が共感していることが分かった」とし「大切な市民の寄付で財団を設立し、真相究明と記録保存、少女像建立活動と関連教育事業を引き続き行っていく」と明らかにした。(財団出演方法:国民銀行069101-04-204213、預金主:定義記憶財団、お問い合わせ02-365-4016)
韓国語原文入力:2016-01-19 19:47