本文に移動

韓国検察、民主労総委員長を起訴 “騒擾罪”は不適用

登録:2016-01-05 23:30 修正:2016-01-06 06:01
騒擾罪を主張した警察 
過度な“公安追い込み” 
ハン・サンギュン民主労総委員長が検察に送致された12月18日午前、ソウル南大門警察署で瑞草区のソウル中央地検に向かうため護送車に向かって歩いている=連合ニュース

 

検察「継続捜査が必要」と余地残す 
起訴状変更で追加起訴の可能性も

 検察はハン・サンギュン全国民主労働組合総連盟(民主労総)委員長を起訴したが、騒擾罪は適用しなかった。騒擾罪を適用する場合、有罪判決を得にくいと判断したためだ。 騒擾罪の適用を積極的に主張した警察は、政権の機嫌を取るため過度に“公安追い込み”をしたという批判を避けられなくなった。

 ソウル中央地検公共刑事捜査部(部長イ・ムンハン)は、拘束期限満了を翌日に控えた5日、ハン委員長を特殊公務執行妨害致傷、一般交通妨害容疑で起訴したと明らかにした。 ハン委員長は昨年11月の民衆総決起大会と5月のメーデー主集会、4月のセウォル号集会などで過激デモを主導した疑いで先月拘束された。

 検察は騒擾罪を除いたことと関連して「追加捜査が必要で、継続捜査する予定」と明らかにした。 だが、単純集会事件で拘束満期を使い果たすほど長期間捜査した状況で、追加捜査に言及しても説得力がないとも指摘される。 民主社会のための弁護士会に所属するイ・グァンチョル弁護士は「検察内部では事実上騒擾罪の適用は難しいと判断した。 それでも追加捜査に言及したのは、大統領府の注文がある場合には起訴状変更を通じて騒擾罪を適用できる余地を残そうとしているようだ」と話した。

 騒擾罪は大衆が集まり暴行、脅迫、施設破損などをした場合に適用され、1年以上10年以下の懲役に処される。騒擾罪が実際に適用されたのは、1986年の「5・3仁川デモ」が最後だった。 当時、学生と市民1万人余りが仁川市民会館前の道路を占拠して火炎瓶や石を投げてパトカーなどを焼いた。 検察は当時デモを主導したキム・ムンス元京畿道知事らに騒擾罪を適用し、大法院(最高裁)で有罪が確定した。

 ハン委員長に対する騒擾罪適用論議は、昨年12月初めにキム・スナム検察総長の人事聴聞会が発端になった。 当時、セヌリ党のキム・ジンテ議員は、ハン委員長に対して騒擾罪を適用しなければならないと主張し、キム検察総長は「検討してみる」と答えた。 以後、カン・シンミョン警察庁長官も騒擾罪の適用を公開的に明らかにし、警察は先月ハン委員長を検察に送致し騒擾罪適用意見を出した。 警察はハン委員長だけでなく民主労総の他の執行部と関連団体幹部に対しても騒擾罪を適用すると明らかにした。

 この日、カン・シンミョン庁長は「とにかく(検察がハン委員長を)起訴しなければならないので、今回は騒擾罪を適用しなかったが、もう少し捜査した後に判断するという立場だと理解している。 必要ならば追加起訴が可能なので、他の民主労総核心指揮部に対する(検察の)調査が行われた後に、最終的な判断を下すものと考える」と話した。 参与連帯のアン・ジンゴル協同事務局長は「警察は政権の顔色をうかがって無理に騒擾罪を適用しようとしたが、指揮機関である検察によって阻止された」と指摘した。

 一方警察庁はこの日、民衆総決起大会当時、ソウルのプレスセンター前でハン委員長の警察検挙を阻もうとした疑い(犯人逃避ほう助など)で逮捕状が発給されたナム・ジョンス民主労総教育宣伝室長を4日に逮捕したと明らかにした。 警察の集会関連捜査対象者は計1070人で、このうち18人が現在拘束された状態だ。

チェ・ヒョンジュン、キム・ソンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/724821.html 韓国語原文入力:2016-01-05 22:01
訳J.S(1544字)

関連記事