職場を頻繁に変えながら、夜遅くまで仕事をしているにもかかわらず、経済的にあまり余裕のない家計を支えていかなければならないのが、韓国の労働者の生活だ。経済協力開発機構(OECD)の他の加盟国と比較してみると、韓国の労働者の過酷な現実がさらに際立つ。
雇用労働部は22日、韓国の労働市場関連の各種統計情報を集めたパンフレット「統計で見る韓国労働市場の姿」を発刊した。このパンフレットの「雇用労働に関するOECDの国際比較統計」によると、韓国は昨年、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、労働者の勤続期間が5.6年で最も短い。同じ職場に留まる期間が6年にも満たないのだ。調査対象のOECD加盟25カ国の平均は9.5年だ。賃金労働者の勤続期間の指標は、労働市場の柔軟性の程度を把握するのに、参考になる資料だ。
労働時間は世界トップレベルだ。 2014年韓国の労働者の平均労働時間は2057時間で、メキシコ(2327時間)、チリ(2064時間)に次いで3位を占めた。OECD平均は1706時間だ。労働時間が最も短いドイツ(1302時間)に比べると、韓国の労働者は、年間755時間もさらに働いていることになる。賃金労働者と自営業者などを含めた全体の就業者の年間就業時間も、メキシコ(2228時間)に続き、韓国(2124時間)が2位だった。OECD平均は1734時間だ。
韓国の労働者は、年を取ってからも働き続ける。労働市場での実際に引退する年齢が、男性は71.1歳、女性69.8歳で、男性はメキシコ(72歳)、女性はチリ(70歳)に続いて2位だ。どちらが一生の間より多く、長く働くのかをめぐり、メキシコと韓国の労働者が競争しているような状況だ。OECDの平均引退年齢は64.2歳だ。ベルギー、オーストリア、スロバキアは59歳で、OECD加盟国の中で一番早く引退する国だった。引退の年齢が高くなるのは、貧弱な年金・福祉制度などのため、老後の所得が不足しているからだ。
分配指標も良くない。労働所得分配率(国民所得のうち、労働所得の割合)が64.8%で、関連統計を出したOECD加盟国26カ国のうち、19番目にとどまっている。経済活動によって創出された利益のうち、労働者よりも企業が持っていく割合が相対的に高いということだ。労働市場における格差も激しい。中位賃金(全体の賃金労働者を一列に並べた場合、真ん中の労働者の賃金)の3分の2未満をもらっている労働者の割合を示す低賃金労働者の割合が23.9%で、米国(25.3%)に次いで世界2位だ。OECD平均は16.4%だ。
男性と女性の賃金格差も世界最高レベルだ。男性労働者の中位賃金を100とした場合、女性労働者の中位賃金は63.7に過ぎず、22か国のうち1位を占めた。OECD平均(85.5)はもちろんのこと、2位の日本(73.5)に比べても、大きく差をつけられている。韓国の女性雇用率はOECD平均(61.1%)とかけ離れた54.9%で、34カ国のうち、27番目にとどまった。
最低賃金を実質購買力と為替レートを考慮し、米国ドルに換算した実質最低賃金は、14.6ドルでOECD平均(15.2ドル)とあまり変わらなかったが、平均賃金に比べ最低賃金水準は35.1%で、25カ国のうち、18位にとどまった。
期間制・派遣など非正規労働者の割合は、OECD平均(13.9%)よりもはるかに高い21.7%で、OECD加盟国29カ国のうち、5番目だった。
労働組合加入率は9.9%で29カ国のうち、26番目にとどまった。OECD平均(29.1%)の3分の1のレベルで、特にアイスランド(83%)、フィンランド(69%)、スウェーデン(67%)、デンマーク(67%)などのヨーロッパ諸国とは大きな差を見せた。
韓国語原文入力:2015-12-22 19:47