「私は殺人犯でも、破廉恥犯でも、強盗犯罪や暴動を起こした人でもありません。私は解雇労働者です。私は解雇を容易にする労働改悪を止めるため戦っております。これが今国中を騒がせている1級指名手配犯、ハン・サンギュンの実質的な罪名です」
ハン・サンギュン全国民主労働組合総連盟(民主労総)委員長は10日午前、警察に自ら出頭する前の記者会見でこう叫んだ。84個中隊、6720人の警察を動員し、騒々しく逮捕作戦を繰り広げた警察が自らに適用した容疑が、一般交通妨害や解散命令の拒否などに過ぎないことを強調し、政府が行き過ぎた逮捕状の執行を通じ集会・デモの自由を締め付けていると批判した。警察は今年4月16日、ソウル広場など4カ所で集会を開いて道路を占拠した容疑などで、8回にわたりハン委員長に出頭通告を行ったが、ハン委員長がこれに応じなかったため、6月23日、裁判所に逮捕状を発行してもらった。
「既存の令状は、一般組合員当時の容疑
昨年5月以降の容疑は別件の令状」
民主労総「悪意な捜査」と反発
ハン委員長は黙秘権を行使
ハン委員長を逮捕した警察は同日、ソウル地方警察庁広域捜査隊と知能犯罪捜査隊、南大門(ナムデムン)警察署知能チーム所属の警察99人を投入して、大規模な捜査本部を設けて捜査に拍車をかけている。警察は同日、ハン委員長を調査した後に容疑を追加し、11日夕、別の新たな逮捕状を請求する計画だ。ハン委員長については、すでに逮捕状が発行されている状態だ。昨年5月24日のセウォル号追悼集会で、不法デモを行った疑いで起訴された後、裁判に相次いで欠席したことによるものだ。しかし警察庁関係者は、「既存の逮捕状はハン委員長が一般組合員だった頃、不法デモをした疑いに対するもので、昨年5月以降の容疑も総合して判断するために、逮捕状を再請求する」と述べた。この関係者は「(ハン委員長には)騒擾罪を適用するのが正しいと判断し(逮捕状にも適用するかどうかについて)検討している」と明らかにした。ソウル中央地検の関係者も「これまでの犯行、つまり4月のセウォル号関連の集会から最近の民衆総決起(11月14日)までを含めた犯罪容疑を徹底的に調べ、基準に基づいて身柄などを処理する」と明らかにした。
警察と検察が逮捕状を追加請求する方針を示したことについて、民主労総などからは「労働改悪反対闘争に対する締めつけ」とする批判が出ている。既存の逮捕状が相対的に低い容疑を適用しており、ハン委員長が簡単に自由になる可能性があるため、警察が追加で逮捕状を請求しようとするのではないかということだ。法曹界関係者は「現在発行された逮捕状でも、十分残りの容疑について在宅事件として捜査できる。(裁判を開けなかった昨年の集会に対する容疑は)自白をすれば、すぐに終わるようなもので、(事件の性格上)6カ月以上は裁判が続かない可能性があるという点を懸念しているようだ」と述べた。特に警察が騒擾罪の適用を検討していることに関連し、民主労総側では「悪意的な捜査」と強く反発している。パク・ソンシク民主労総スポークスマンは、「警察が、ハン委員長が『昨年から今年11月までに総決起デモを企画した』『暴力デモに詳しい幹部を抜擢した』というなど、暴力デモという行き過ぎた容疑に焦点を合わせて、すべての状況を恣意的につなぎ合わせている」と批判し、「ハン委員長が黙秘権を行使している」と伝えた。
警察庁は同日を基準に、先月14日の民衆総決起大会で不法デモをした疑いで、合わせて715人を捜査していると明らかにした。このうち、逮捕状が発行されたのはハン委員長を含め4人だ。
韓国語原文入力:2015-12-10 21:43