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北朝鮮、全国財政銀行働き手大会開催 貨幣流通拡大に向け金融システム変更か

登録:2015-12-14 22:34 修正:2015-12-15 07:40
金正恩第1書記が参加者に書簡 
「より多くの資金の動員」を強調 
外貨資金の効果的流通にも関心 
企業間の現金取引も再許可する見通し
平安南道安州市の市場の様子=ドイツの救護団体カプ・アナムル(Cap Anamur)提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が25年ぶりに「全国財政銀行働き手大会」を開いた。金日成(キム・イルソン)主席執権時代の1990年9月以来、初めてのことだ。金正恩(キム・ジョンウン)体制のもと、生産現場の自律性とインセンティブの拡大など、いわゆる「我々(北朝鮮)式の経済管理方法」(5・30措置)施行によって成し遂げた経済回復の成果に基づき、資金の円滑な回転が行われるように、金融システムの改善に乗り出そうとするものと分析されている。来年5月初め、やはり36年ぶりに招集された第7回労働党大会でまとめられた「金融システムの改善案」が発表されるという予想も少なくない。

 朝鮮中央通信など、北朝鮮メディアは14日、「第3回全国財政銀行働き手大会が13日(平壌<ピョンヤン>)人民文化宮殿で行われた」と報じた。北朝鮮メディアは、この大会で「前期の財政銀行事業で達成した成果と経験を分析して、強盛国家建設の偉業を財政的に担保していくための課題と方策を討議した」と説明した。大会には、パク・ボンジュ内閣総理、パク・ヨンシク人民武力部長、オ・スヨン労働党秘書、ロ・ドゥチョル、リ・ムヨン、リ・チョルマン内閣副総理、キ・グァンホ財政相、キム・チョンギュン朝鮮中央銀行総裁、キム・ソンウィ貿易銀行総裁などが参加した。

 大会参加者に送った書簡で「貨幣流通を通じた資金動員」を強調した金第1書記は、「財政銀行事業を改善・強化しなければ、資金需要を独自に確保できない」として、「財政銀行事業を活性化して、すでに整えた財政基盤を効果的に利用し、より多くの資金を動員しなければならない」と指示した。ロ・ドゥチョル内閣副総理兼国家計画委員会委員長は、大会報告で「1990年に比べて国家予算収入が3倍長成(増加)した」と明らかにした。

 専門家たちは、北朝鮮が金融システムの改善に乗り出したものと見ている。特に最近「ジャンマダン」(市場)が拡散し、建設・流通・サービス分野にいわゆる「トンジュ」(高利貸し業者)の投資を活用した事業が進められており、増加している貨幣の流通を支えるための動きということだ。15万〜20万人と推定されている国外への労働力派遣で稼ぐ外貨資金を効果的に流通させ、金融システムに安着させる必要性も高まっている。インフレで規制されていた企業間の現金取引が、2013年以降続いている物価安定により再許可される可能性も考えられている。

 キム・チョンギュン朝鮮中央銀行総裁は今年2月、在日本朝鮮人総連合会(総連)の機関紙『朝鮮新報』とのインタビューで「経済建設によって求められる資金需要に対して国内資金を円滑に回転させる方法で対応していくことに注力している。その一環として、新しい金融商品の開発と人民生活の領域におけるカードの利用などを進めている」と明らかにした。

キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-12-14 19:46

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/721792.html 訳H.J

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