登録 : 2015.10.12 03:01 修正 : 2015.10.12 15:06

演説から明らかになる新統治路線

軍事パレードでの人物配置。金正恩第1書記から左に、劉雲山・中国共産党中央政治局常務委員、キム・ギナム党書記、崔龍海党書記、チェ・テボク党秘書、金養建党秘書//ハンギョレ新聞社
金書記の隣に劉雲山常務委員
主席団の配置で高位層の変動はない
南北関係「8・25合意」引き続く見込み

 金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記は、労働党創建70周年軍事パレード育成演説で「人民」という用語を90回も使い「人民第一主義」を前面に打ち出した。「核」という言葉は一度も使用しないなど、対外関係の改善に気を使う態度を見せた。「先民」を統治哲学にして、自分の時代を開いていこうとする意志を表わしたものと解釈される。

北朝鮮労働党創建70周年記念軍事パレードに公開された主な兵器。左は弾頭の形が改良されたKN-08大陸間弾道ミサイル(ICBM)、右は300ミリメートル新型放射砲(KN-9)//ハンギョレ新聞社
 統一部は11日に発表した資料「北朝鮮党創建70周年軍事パレード総合評価」を通じ、「金正恩第1書記が労働党の『人民第一主義』に重点を置き人民への愛を強調するのに演説のほとんどを費やした」として「人民重視、軍事重視、青年重視を強調した」と分析した。「人民への深い感謝」という表現で始まった演説は、「我々は皆偉大な人民のために滅私奉公していきましょう」と呼びかけで終わった。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「金日成(キム・イルソン)時代は『先党』、金正日(キム・ジョンイル)時代は『先軍』だったとしたら、金正恩時代は『先民』で統治路線を転換することを示唆したもの」とし「人民の生活向上を国家の最高目標にするということを予告している」と分析した。

 金正恩第1書記は、軍事パレードという軍事的性格の行事にもかかわらず、「核」という用語を全く使わなかった。これまで使用してきた「核・経済並進路線」という表現を「経済・国防並進路線」に変えた点も目を引く。中国との関係改善などを念頭に置いたものと解釈される。

 金第1書記が南北関係について特に言及しなかったのも、「8・25合意」の動力を維持しようとするものと分析される。今年8月28日に開かれた労働党中央軍事委員会拡大会議で8・25合意をについて「災いを祝に変えた今回の合意を大切にして豊かな実りに導かねければならない」と言った基調を維持していくものと見られる。

 金第1書記は演説で「米帝が望むどんな形の戦争でも応じられる」とし、米国を非難したが、それほど強い表現ではなかった。キム・グンシク慶南大学政治外交学科教授は、「北朝鮮は今月7日に米国と平和協定を締結しようと米国務省報道官に公式提案しており、北京、ソウルとの関係が良くなれば、その後にワシントンとの関係改善に乗り出すことも考えられる」と述べた。

 軍事パレードは午後2時30分から2時間半の間、金日成広場で行われた。これまでのパレードは午前に始まったが、雨のため午後に開始したものと推定される。劉雲山・中国共産党中央政治局常務委員は主席団に上がった唯一の外国代表で、金正恩第1書記のすぐ左側に立っていた。金第1書記と劉委員は閲兵式途中、笑顔で会話を交わすなど和気あいあいとした姿を演出した。朝中関係の改善を象徴するシーンに見えた。

 主席団の配置で、北朝鮮高位層の変動はあまり目立たなかった。金第1書記の実妹であるキム・ヨジョン氏は、当宣伝扇動部副部長程度の地位にもかかわらず、主席団の裏側にしばらく姿を現し、実権を握っていることを示唆した。8月4日の地雷爆発事件と関連し問責説が流れたキム・ヨンチョル北朝鮮偵察総局長も主席団に姿を表わして健在ぶりを示した。

 軍事パレードの準備にかかった金額をめぐっては、専門家たちの分析が分かれている。「北朝鮮1年の予算の3分の1水準である1〜2兆ウォンがかかっただろう」(チョ・ボンヒョンIBK経済研究所首席研究委員)という分析もあるが、「ミサイル開発、建築事業費を差し引いた純粋な軍事パレードの費用は数百億ウォン程度と思われる」(キム・グンシク慶南大学政治外交学科教授)という分析もある。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-10-11 19:39

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/712312.html訳H.J

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