金強一・中国延辺大学国際政治研究所長は金正恩(キム・ジョンウン)政権における北朝鮮の変化は、改革開放初期の状況を越えており、これに対応し対北政策も変化する時にあるとの見方を明らかにした。金所長は、第11回「ハンギョレ・釜山(プサン)国際シンポジウム」で、より太陽政策に近い協力政策を提案した。一言でいうと、“アメとムチ”を並行させようということだ。
市場経済はすでに影響力大きく
私有方式や生産様式がすべて変わる
金正恩第1書記、このような変化に能動的
受動的だった金正日時代と異なり
経済協力で後押しすべき
- 北朝鮮で意味のある変化が感じられるというのか。
「すでに北朝鮮社会の変化は、中国の改革開放初期の状況を越えていると思う。社会の性格からして、すでに市場経済の影響力が大きくなった。ただ、政府の政策と国家の制度として市場経済を構築できるかどうかがカギとなる」
- 対北政策がどのような方向に変わるべきと考えるか。
「このような社会の変化を後押しできるのは、経済的な協力だけだ。金大中(キム・デジュン)元大統領の太陽政策はあまりにも早く実施された。当時は『苦難の行軍』が進められていた時期だったため、北朝鮮が受け入れづらかった側面がある。今は北朝鮮社会は変わった。市場化の進展で、私有方式と生産様式がすべて変わった。したがって、こうした変化が政府の政策と制度を変えられるように誘導し、後押しすべきだと思う」
- 現在、韓国政府は、北朝鮮が核を保有する限り全面的な対北協力は難しいと考えている。
「北朝鮮の核と関連した長期的な解決策を考える時にも、残された道の一つだ。問題は、北朝鮮を改革開放に誘導できるかどうかだ。改革開放に誘導しなければ、核問題はこれからも続く。現在のような強圧的な政策を継続すれば、金正恩政権は、核を維持すべき理由を数百種類は挙げることができるだろう。一方、改革開放を後押しするような方向に出れば、北朝鮮も経済的発展のために、他の国々と協力して妥協しなければならなくなる」
- 北朝鮮の改革開放論は、すでに以前から語られてきたことではないのか。
「今は違う。北朝鮮社会がすでに非常に変わった。また金正恩体制には二つの特徴的な点がある。一つは、韓国で主に言われている恐怖政治だ。もう一つは、金正恩政権が北朝鮮で行われる社会の変化に能動的であり、積極的に対応しているという点だ。これは、このような変化に受動的に対応していた金正日(キム・ジョンイル)時代とは異なるものだ。ここに希望があると思う。このような要素を活用して変化を誘導できると考えている」
韓国語原文入力:2015-11-18 19:47