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“上層部方針”で平和行進を阻む韓国警察

登録:2015-12-14 00:11 修正:2015-12-14 08:21
事前申告の上で行われた街頭行進、警察が阻止 
「第3回総決起を控え集会の自由が萎縮」 
「警察による行進中断…行政訴訟も検討中」
12日午後、ソウルのファイナンスビル前で労働改悪阻止、ペク・ナムギ農民快復祈願、ハン・サンギュン拘束糾弾の市民大会を終えた参加者らが、申告された300人以下であるとして警察に平和行進を阻まれいている//ハンギョレ新聞社

 警察が事前申告内容に従って平和的に行われていた街頭行進を阻み、来週予定された民主労総一斉ストライキと第3回民衆総決起を控えて集会示威の自由を萎縮させようとしているという批判が提起されている。

 「ペク・ナムギ農民快復と国家暴力糾弾汎国民対策委員会」(汎対委)等が12日午後、ソウル中区のファイナンスセンター前で主催した「労働改悪阻止・ペク・ナムギ農民快復祈願・ハン・サンギュン無罪釈放市民大会」に参加した250人(警察推定200人)は本集会を終え午後4時頃に農民のペク・ナムギ氏(68)が入院するソウル鍾路区のソウル大病院まで街頭行進を始めたが、清渓川(チョンゲチョン)の広橋(クァンギョ)前で警察に阻止された。 警察が集会直前に主催側に伝えた条件付き制限通告に違反したという理由だ。

 ペク・ナムギ対策委は集会2日前の10日午後、警察に対し500人が午後3時からファイナンスセンター前で集会をした後、ソウル大病院まで行進方向の一車線を街頭行進するという屋外集会申告書を提出した。 ところが警察は、申告された集会開始時間が過ぎた12日午後3時10分頃「参加者が300人未満の場合、車道を利用した行進を禁止する。歩道を利用する場合は行進を許容する」という条件付き制限通告を行った。

 主催側は「すでに放送車両など車道行進に必要なものを全て準備しているのに、集会開始時間が過ぎてから送った制限通告を根拠に行進を阻むとは理解し難い」として反発した。 警察は一車線を利用して行進する参加者を清渓川広橋前でポリスラインで阻んだ。 これに対しデモ隊が抗議すると、南大門(ナムデムン)警察署警備課長は「現在、集会参加者が条件付き通告に違反し、放送車両を前面に出して車道を行進しようとしているのは不法行為だ。車道に進入すれば解散手続きをとる」と解散警告した。デモ隊は結局行進を中断し、各自ばらばらにソウル大病院前に再び集まることにした。

 主催側は「慣例的に警察は小規模集会に条件付き制限通告をしてきたが、参加者数が明確に少ない場合を除いては申告通りに車道を利用した行進を行ってきた。放送車両まで準備した状況で物理的に行進を阻んだことは異例」と話した。 先月28日に行われた「ペク・ナムギ農民快復祈願風車行進」の場合にも、警察は同じ内容の条件付き制限通告をしたが、車道の行進を止めることはしなかったという。 「人権運動サランバン」の活動家のミョンスク氏は「参加者数が行進を禁止したり制限する基準にはならず、すでに始まっているきわめて平和的な行進を物理的に阻んだことも異例だ。警察の措置は明白な集会妨害行為」と批判した。 「民主社会のための弁護士会」のパク・ジュミン弁護士は「集会を開くと申告した時刻をすでに過ぎており、集会参加者は警察の制限通告を予測できなかったし、歩行者の多い土曜日午後に車道以上に混雑している歩道を行進しろというのは“深刻な交通不便”という制限根拠とも合致しない。 事実上、警察が行進を困難にさせる意図と思われる」と話した。

 ペク・ナムギ対策委のチェ・ソクファン事務局長は「ソウル地方警察庁の担当者に電話し『慣例に反してまでなぜ突然に平和的な行進を阻むのか』と抗議したところ『上から方針が降りて来たので仕方ない。 ハン・サンギュン令状実質審査もあり、状況が状況なので了解してほしい』と答えた」と話した。 キム・ジョンヨル全国女性農民会事務総長は「行進が警察によって中断されたという事実を明確にし、法的な責任を問うために行政訴訟も検討中」と明らかにした。

曹渓寺に匿われ警察に自主出頭したハン・サンギュン民主労総委員長が12日、拘束前の被疑者尋問を受けるためにソウル中央地裁に向かっている。ハン委員長の拘束は今夜遅く決定される。法廷へ向かうハン委員長を民主労組組合員が声援を送っている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

ファン・クムビ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/721570.html 韓国語原文入力:2015-12-12 22:35
訳J.S(1731字)

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