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[社説]平和集会と主張しても強硬策ばかりの韓国政府

登録:2015-11-28 07:05 修正:2015-11-28 07:07
キム・ヒョンウン法務部長官が27日午前、政府果川庁舎のブリーフィングルームで、集会時の覆面着用に対して厳しく処断する内容を盛り込んだ談話文を発表している =イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 12月5日の「第2次民衆総決起大会」を前に、今回は平和集会にすべきという共通認識の中で車列の壁に花を刺したり、諷刺的な仮面舞踏会をしたりする新しいタイプの集会やデモのやり方が摸索されているという。

 望ましいことだ。集会が暴力化するきっかけは平和な行進を車列の壁で防ぐなど警察が過剰対応するところにあるが、それにしても参加者が平和的に抵抗することは原則正しい。その一方で政府の対応はますます硬直化して強硬になっている。

 警察は18年ぶりの「民主労総」の家宅捜索に続いて27日、民主労総京畿本部まで家宅捜索した。キム・ヒョンウン法務部長官はこの日また談話文を発表して「違法との妥協は決してないはずだ」と話した。政府は曹渓宗の「和静委員会」の“平和集会仲裁”の提案も拒否している。

 このような雰囲気の中で警察は第1次大会の際に起きた暴力の状況などを理由に12月5日の集会を禁止する案を検討中だ。これは明確に憲法に背いている。憲法21条は集会の事前許可制を絶対的に禁止している。申告手続きだけ踏めば原則的に集会・デモができなければならない。集会およびデモに関する法律で「集団的な暴行、脅迫、損壊、防火などで公共の安寧秩序に直接的な威嚇を及ぼすことが明白な集会またはデモ」を事前に禁止することができるようにしているが,この条項は文字どおり「直接的」であり「明白な」危険がある時にだけ最小限適用されなければならない。主催側が平和集会を約束し、権威ある宗教団体が仲裁に出ている状況でこの条項を適用して集会を禁止するのなら、それこそ「警察の主観的判断」に集会開催の有無が左右されるわけだ。これがまさに許可制ではなくて何だろう。

 ハン・サンギュン民主労総委員長は27日、「(第1次大会の際)に車列の壁を市民が綱で縛って引き寄せたことなどは誰が見ても実定法の明白な違反」と認め、その原因になった政府の暴力過剰鎮圧を批判した。それと共に第2次大会の平和的な実施を繰り返して約束した。今は政府もこういう姿勢で臨むべきである。過剰鎮圧の誤りを認め、今後集会やデモが平和になされるように主催側と対話に乗り出すべきだ。

 話では集会・デモの文化改善をあおり立て、実際には平和集会を開くという彼らを圧迫ばかりしているのは暴力集会の助長・誘導行為に違わない。このような態度を変えないのなら、結局は政府の下心が集会・デモの弾圧と批判勢力の押さえ込みにあるという国内外の指摘を自認する形になろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/11/27 19:00

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/719410.html 訳T.W

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