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朴大統領、ISを口実にテロ防止法通過を圧迫

登録:2015-12-08 22:31 修正:2015-12-09 06:45
「韓国テロ防止法がないことをISも知ってしまった」 
恐怖を最大限に煽る...野党「意見の相違を解消しようとせず圧迫だけ」
朴槿恵大統領が8日午前、大統領府で閣議を主宰しながら発言している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は8日、国会に係留されているテロ防止法の早急な処理を要求し、「韓国がテロを防止するために、このような基本的な法体系さえ備えていないということを全世界が知っている。イスラム国(IS)も知ってしまった」と述べた。テロ防止法の必要性を強調するためにイスラム国を引用するなど、“恐怖”を最大限に煽っている。

 朴大統領はこの日午前、閣議を主宰し、「テロ防止法が15年間も国会通過を待っている間、国際的なテロの脅威はさらに高まっている」として、こう発言した後、「このような状況にもかかわらず、呑気に構えて法律を通過させないなんてあり得ないだろう」とし、国会を圧迫した。朴大統領は続いて「テロ防止法が、今回も通過できなかった場合、テロに備えた国際協力にもしっかり対応できず、情報交換もできなくなる。それは国民の生命と安全に責任を負うべき政界が国民を危険にさらすことに他ならない」と主張した。朴大統領は「今後想像もできないテロで、韓国国民が被害を被ることになった場合、その責任が国会にもあるという事実を明らかにするとともに、国民にその責任を問われることになるだろう」と国会に照準を合わせた。

 国会に係留中のテロ防止法は、情報機関の無差別の査察(調査)による人権侵害への懸念のため、与野党が協議を進めている事案だ。キム・ソンス新政治民主連合報道官は、書面でのブリーフィングで「テロを防止するための法的手続きと根拠が必要であるという認識は共有しているが、我が党は国民の安全と人権の両方を確保する方向で立法が行われるべきだと考えている」とし「与野党における意見の相違を解消するための努力もせず、時限内の処理のみを圧迫する大統領の発言については非常に遺憾だ」と述べた。

チェ・ヒェジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-12-08 21:29

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/720978.html 訳H.J

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