今年上半期に韓国国内で行われた合法的監視・盗聴の98.6%を国家情報院が行ったことが明らかになった。 外部監察の死角地帯にある国家情報院が、事実上監視を掌握している状況で、スマートフォン使用者の90%が使うカカオトークに対する監視が先月から再び可能になった。 フランス パリのテロ以後は、政府とセヌリ党が携帯電話の監視・盗聴と国家情報院の権限強化のため法を変えようとしている。
24日、未来創造科学部の「通信秘密資料提供現況」によると、今年上半期に捜査・情報機関が監視を要求した対象は2832件であった。 このうち2791件(98.6%)は国家情報院の要求によるものだった。 国家情報院は昨年(94.6%)と2013年(98.3%)にも韓国国内での監視の大部分を占めてきた。 国家安保を理由とする拘束は4カ月間有効で4カ月以下の延長が可能だ。
現在、令状を通した携帯電話の監視・盗聴は不可能なので、国家情報院の監視対象は固定電話とインターネットアカウントのみだ。 固定電話の利用がますます減っている現実を考慮すれば、捜査・情報機関の監視の欲望はインターネットアカウントに向かうほかはない。 このような状況でカカオが盗聴令状に対する協力を再開した。 昨年10月、査察問題が生じると“盗聴令状協力中断”を宣言して1年ぶりに白旗を揚げたわけだ。 表面には検察が出たが、実際には検察は今年上半期にただの一件の盗聴も要請しなかった。
問題の核心は国家情報院が国民の大多数が日常的に使っているカカオトークのようなインターネット アカウントを監視していることだ。 国家情報院は昨年イタリアのハッキングチームに「カカオトークをハッキングしてほしい」と要請した事実が発覚した。
高麗大公益法律相談所の「韓国インターネット透明性報告研究」によれば、国家情報院が2011年から昨年までの4年間に盗聴したインターネット アカウント数は6405個に達する。 同じ期間に検察は僅か1件、警察は年間に85~250個を覗き見た。 今年上半期の令状一件当り監視対象数は、警察と国家情報院がそれぞれ平均2個と15.3個であった。
「韓国インターネット透明性報告研究」を主導したソン・ジウォン弁護士は「盗聴の大部分を国家情報院が要求しており、国家情報院盗聴令状の大部分が国家保安法関連であるため、事実上韓国での盗聴は国家保安法のために作動している」と指摘した。
フランスのパリのテロ後、テロ防止の名分で携帯電話の監視・盗聴が可能なように移動通信会社が監視設備を備え、国家情報院の調査権を拡大しなければならないという主張がされ、国家情報院の権限がさらに肥大化する兆しを見せている。 進歩ネットの活動家チャン・ヨギョン氏は「国家情報院の盗聴に対して国民の不信が強いが、国家保安法でも足りなくてテロ防止法などを導入するということは危険な発想」と指摘した。