登録 : 2015.12.02 00:43 修正 : 2015.12.02 18:10

6人の“覆面”がデモに参加した理由を語る

 先月14日の民衆総決起大会を政府が「不法・暴力デモ」と規定したことで、2008年のキャンドル集会以来最大の13万人(警察推算6万8000人)もの声はかき消されてしまった。彼らはなぜ街頭に出たのか、なぜ再び街頭に出ようとするのだろうか。今月1日、労働者、農民、貧民、零細商人、学生など6人の“覆面”に尋ねた。

解雇の簡易化が導入されると、非正規労働者は本当に大変です(大型スーパーで働く非正規労働者のチョン氏<55>)

 「スーパーの水産コーナーで魚をさばく仕事について8年になりました。時給制の非正規労働者として働いていますが、1日8時間ずつ働いても給料は103万ウォン(約11万円)しかもらえません。私たちは、1年に2回、仕事に応じて成果給を支給されますが、それについても、やるとかやらないとか、いろいろ言われています。なのに、政府が推進する成果に応じた一般解雇が導入されたら、成果が原因で解雇されることもあり得るでしょう。今でも顧客の抗議1件で解雇されている場合が多いのに、非正規労働者は本当に大変ですよ。だから、2年前に労組に加入してから初めて大きな集会に出ました。放水銃というものをその日初めて見ました。ただ横に立っているだけでも、(目や喉に)しみてつらかったです。マスクを付けてはならないというけど、つけないわけにはいきませんよ。私たちは、子供のいるおばさんじゃないですか。労働改悪が行われれば、私たちの子供たちにも深刻な問題になるかもしれないでしょう?」

労働改悪を止めるために5日の集会にも出るつもりです(電子会社のサービス労働者、ラ氏<42>)

 「政府が推進している一般的な解雇と就業規則の変更、労働市場の柔軟化を私たちは既に実感しています。今年5〜6月に会社側が解雇要件をかなり増やした就業規則の改正案を提示してきました。幸いなことに、労働組合が交渉過程でこれを跳ねのけました。労働組合がないところでは、非組合員を対象に契約が解除された場合もすでに多いです。労働改悪が行われれば、大きな工場よりも、このような小さな事業所で被害が続出すると思います。政府が施行してしまったら、その時に戦って何の役にも立ちません。だから最後まで戦きたいと思います。覆面を付けないでというから、5日には“朴槿恵(パク・クネ)大統領仮面”でも付けて出るつもりです」

「コメ価の公約守ってください。重体に陥った農民に謝罪してください」(慶尚南道山清の農民、キム氏<61>)

 「学校の教師を辞めて農作業を始めてから、6年になります。田畑4000平方メートルに米や小麦、サツマイモ、ジャガイモなどを栽培しています。今年の決算は、まだ定かではありませんが、農産物価格は下がるのに、諸資材の値段は上がっているため、収益が30%は減ると思います。それがすべて負債になります。農協の収買価格を見ても、タマネギの値段だけが上がって、残りは下がりました。集会になぜ行ったのかですって?悲しくて、腹が立って行きましたよ。朴槿恵大統領が、選挙当時17万ウォン(約1万8000円)だったコメ1俵の値段を22万ウォン(約2万3000円)まで引き上げてくれると言いました。ところが、今年は1俵に15万ウォン(約1万6000円)です。約束を守っていませんよ。前回の集会で、ペク・ナムギ氏に放水銃を撃ったのも、残忍極まりない出来事です。人が死にかけているのに、謝罪を求めるべきです。 5日の集会でも『種イモ』のような農業を守ろうと言うつもりです」

露店を取り締る前に、生存権を保障してください(露店の店主、ユ氏<44>)

 「MERS(中東呼吸器症候群)のせいで開催できなかった露店商大会を先月14日の集会の際に開きました。どれほど切羽詰まっていれば、週末の書き入れの時に商売をたたんで商人たちが集まったでしょうか。政府が推進する露店取り締まりを止めよう、生存権を保障してもらいたいというのが主な要求でした。私たちが事前大会を終えて光化門(クァンファムン)に合流しようとしたときは、もうすでに警察と対峙する状況が起きていました。平和的に集会とデモ行進を保証していたら、そんなこと(暴力)が起きたのでしょうか。私たち全体が暴力集団であるかのように言われて、困っています。集会を禁止するというのは「何があっても黙ってじっとしていなさい」という意味のような気がしますね」

大企業のための経済政策、“甲ジル”は変わりません(小商工人会「乙希望連帯」のキム氏<52>)

 「2年前まで大企業の代理店をやっていました。以前は私のような代理店主や加盟店主が、なんとか中産階級に留まって商売をしてきましたが、大企業を中心の経済政策が続いたことで、1カ月休みなく働いても、自分の人件費すら残りません。「甲乙関係」(優位に立つものと劣位に立つ者の関係)を解消してみようと大企業を相手にしてずいぶん戦ってきましたが、解決されることがありませんでした。丁度民衆総決起を行うと聞いたので、私たち“乙”も行って訴えてみようと思って参加しました。ところが、暴力デモだけが浮き彫りにされましたよ。大企業の甲ジル(優位に立つものが劣位に立つものに行う不当な行為)と不公正行為に対して強力な政府の制裁が必要です。南陽乳業事態以降、何一つ変わっていません。私たちはいつもやられっぱなしたから、いらいらします。力のない私たちに、広場に出ること以外に何ができるでしょうか」

未来の歴史教師として、国定教科書に反対します(歴史教育科の大学生、ホ氏<21>)

 「私は将来、歴史教師になるつもりです。なのに、国定教科書で生徒たちを教えるなんて、あり得ないことです。歴史教科書国定化に反対する意味で、14日の集会に参加しました。構造的な若者失業をもたらした政府の政策にも不満がありましたし。一緒に参加した友人が警察に連行されました。市民の正当な声を公権力が弾圧しているとしか思えませんでした。デモ隊の集会方式が暴力的だと批判する人もいますが、そうでもしないと、誰が耳を傾けてくれるでしょうか。政府の不当な政策に対抗して、市民として声を出して戦ったということを恥じるつもりはありません。わざわざ暴力を振るう必要はありませんが、市民が最大限抵抗しなければ、要求を伝えられないのではありませんか。無気力に黙っているつもりはありませんよ」

パク・テウ、キム・ミヒャン、キム・キュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-12-01 21:46

http://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/719985.html訳H.J

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