全羅南道海南(ヘナム)の住民たちが、この地域に住んでいる日本軍性奴隷被害者ハルモニ(お婆さん)の心の傷を癒すために演劇を作り、平和像を建てる。
「海南教育希望連帯」と「海南蝶」は、1日午後6時30分に、海南文化院小公演場で1時間の住民参加劇『少女たち:私たちはここに生きています』を舞台に披露する。
この演劇は海南に住む被害者ハルモニ(95)のストーリーをもとに作られた。作品の中で15歳のソンイは、日本植民地時代にシルク工場に就職させてくれるという“戦争鬼”の誘いに騙され、どこかに連れて行かれる。ソンイは中国遼寧省海城市と黒龍江省ハルビン市など、日本軍慰安所で凄惨な生活をして、自ら命を絶つために薬物を飲み込むこともある。千辛万苦の末、解放を迎えたソンイは故郷に帰ってくるが、隣人たちに後ろ指をされる二重の痛みを味わう。
住民らは地域に住む人物を題材に台本を書き、演出と演技、小物まで自分たちで作り上げた。俳優は、舞台の経験が全くない約20人余りが務めた。生徒や教師、農夫、郵便配達員など、様々な職業の人たちが参加した。彼らはここ2カ月の間、毎週日曜日の夜に集まって3〜4時間ずつ練習に没頭した。特に小学生2人、中学生6人、高校生3人など生徒が積極的に参加した。生徒たちは、慰安婦に関連した歴史本を読んだり、戦争博物館を訪問するなど、時代背景を勉強するのにも情熱を注いだ。
9年前海南に帰農した芸術監督のチョン・ビョンオ氏(45)は、「セリフが恐ろしかったり、重い内容だったので、心配していたが、生徒たちが意外にもよく受け入れてくれた。隣人の痛みを胸に感じて、実際に涙を流す姿を見た時は、不思議に思うと同時に、ありがたかった」と伝えた。キム・ナムジュ、コ・ジョンヒ詩人の詩劇を作った演出チョン・スヨン氏(47)は、「隣人たちが約2年に亘り、毎週水曜日に被害者ハルモニ宅を訪れるのを見た。最初はあまり関心がなかったが、ある瞬間『これは私たちにとって大きな傷だ。一緒に治癒しなければならない』と思うようになった」と述べた。
これに続いて、市民団体は今月12日、海南で平和の少女像除幕式を開く。市民団体は、住民の募金で製作した平和像を海南郡庁の前に建てることを提案しており、現在郡側と協議している。中心的な役割を果たしてきた「海南蝶」は2年間、毎週水曜日、日本大使館の前で平和デモが行われる同じ時間に、被害者ハルモニを訪ねて面倒を見てきた。イ・ミョンスク海南蝶会長は「ハルモニが今年2月、脳卒中で倒れ、病院で治療を受けている。住民が彼女を包み込むと共に、日本(政府)に心からの謝罪を引き出すために、参加劇公演と平和碑の建立を推進した」と明らかにした。
韓国語原文入力: 2015-11-30 20:19