日本の市民団体が18日、安倍晋三首相と岸田文雄外相に、これまで日本政府と裁判所が示した従来の立場を維持しながらも、慰安婦問題の解決が可能であるという内容を盛り込んだ「緊急要請書」を渡した。
慰安婦問題の解決のため2007年に結成された「慰安婦問題解決オール連帯ネットワーク」(以下、ネットワーク)の野平晋作共同代表は18日、ハンギョレとの電話インタビューで、「現在の両国政府が無理に解決策を模索する過程で、(市民団体を中心とした)原理主義者たちのせいで問題が解決できないという『レッテル貼り』を試みている」と批判し、「今回の要請書で、被害者が納得できる解決策は十分可能であることを、多くの法的根拠を通じて提示した」と述べた。
ネットワークは要請書で、慰安婦問題は挺身隊問題対策協議会などが求める法的責任の具体的内容である「事実の認定と賠償」(2014年6月の第12回アジア連帯会議案)を受け入れる解決策を導き出すのが十分可能であることを証明している。
そのため日本の最高裁判所が2007年中国人慰安婦判決に対して出した見解を提示した。最高裁は、当時中国政府が1972年の日中国交正常会の際に“放棄した請求権”の内容について、被害者の個人請求権が消滅したわけではなく、裁判を通じて、これを要求する権利を失っただけだと説明している。これに基づきネットワークは「政府が自発的に被害者に対して金額を支払って、被害者がこれを受け入れる」方法の事実上の賠償が「法的に容認される」と主張した。
また「事実の認定」についても、「これまで日本の裁判所は、韓国人被害者らが詐欺と甘言で、自分の意思に反して連行されたという事実、そして一部では暴力的な連行があったことを認めている。このような事実を受け入れるなら、河野談話に出てきた基本的事実に加えて、より具体的な事実まで言及して謝罪することもできる」と指摘した。
和田春樹・東京大学名誉教授もこれまで「アジア連帯会議案は法的責任という用語を使用していないが、事実認定と賠償を行えば、法的責任を果たしたと看做されるとの見方を明らかにしている」と強調してきた。韓日両国がアジア連帯会議案をもとに交渉を進めるべきだと日本の市民社会が求めている。
韓国語原文入力:2015-11-18 19:55