本文に移動

また次期大統領選「潘基文待望論」…慎重な与党と警戒する野党

登録:2015-11-17 10:19 修正:2015-11-17 10:21
訪朝成功すれば大統領選有力候補 
親朴槿恵系議員の「二元執政府制」と重なり注目
朴槿恵大統領と潘基文国連事務総長が26日午後(現地時間)、国連カンファレンスルームで開かれたセマウル(新しい村)運動高位級特別行事で参加者と挨拶を交わしている=ニューヨーク/ニューシス

 16日、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の訪朝説で政界が再びざわめきだした。潘総長は5月の訪韓時の開城(ケソン)工業団地訪問が北朝鮮側の拒否で失敗に終わったが、今回は平壌(ピョンヤン)で金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記に会う可能性が高いと観測され“潘基文待望論”が再びもちあがっている。国際外交舞台の頂点に立つ潘総長が、朝鮮半島問題で突破口を開くことができれば、統一・外交での指導力が証明され、潜在的な大統領候補ではなく“有力候補”としてその位置を一気に固めることができるからだ。しかも最近、セヌリ党の親朴槿恵(パク・クネ)系重鎮のホン・ムンジョン議員が「二元執政府制」の改憲の必要性を主張する中、「潘基文大統領+親朴槿恵系首相」という構図を“可能な話”と伝えた直後であるため一層の関心が集まっている。

 セヌリ党の親朴槿恵系重鎮議員は「潘総長は現在の与野党の候補と比べたら次期指導者支持率ではトップだろう」と潘総長の大統領選候補の可能性を覗かせた。潘総長はリアルメーターが先月28日に全国有権者1000人を対象に行った次期大統領適合度調査(標本誤差95%の信頼水準に±3.1%ポイント)で24.2%の支持率を得ており、2位の文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表(20.1%)、3位の金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表(18.0%)を抜き1位を記録した。

 だがセヌリ党は、この潘基文待望論に積極的というより、むしろ慎重な態度を見せた。潘総長の任期(2016年12月)と大統領選挙(2017年12月)までまだかなり時間がある状態で次期指導者を公論化するのは政府与党として望ましくないとの判断があるためと見える。セヌリ党の重鎮議員は「潘総長の任期はまだだいぶ残されており、その間に何が起こるか分からない」と話す。大統領候補潘基文に対する懐疑論も少なくない。セヌリ党の別の重鎮議員は「潘総長は立派な外交官だが、現実の政治と外交はまったく違う問題」と指摘する。親朴槿恵系の議員でさえ「金武星代表を大統領候補と認めたくない人たちが潘総長を何度も口にしているだけ」と言う。

 新政治民主連合の一部も潘基文待望論を警戒する動きを見せた。国会外交統一委員会所属のある重鎮議員は「潘総長が米国で朴槿恵大統領と何度も会い、与党内部で自身が次期大統領選候補として語られることを明確に否定しないため、退任後の動きに関連して様々な憶測が飛び交っているのではないか」と指摘した。別の外交通商委員も「しなければならないことをしているだけなのに、その意図の純粋さが疑われるのだから本人も辛いだろうが、それは潘総長が解決すべき宿題」と語った。

 政界では、南北関係改善のきっかけが切実に求められている時期だけに、潘総長の訪朝を国内政治の定規で計って意味を縮小すべきでないという意見が多い。セヌリ党のイ・インジェ最高委員はハンギョレとの電話インタビューで「国連事務総長としての仕事に専念できるように潘総長をそっとしてあげるべきだろう」とし「何度も国内政治に引き込むのは好ましくない」と話した。チェ・ジェチョン新政治民主連合政策委議長も電話インタビューで「潘総長の訪朝は南北関係と北朝鮮核問題の解決に肯定的に寄与できると考える」とした上で「一部で憂慮されているように、国連事務総長という職位を国内政治に利用しないことを望み、潘総長もそんなことは考えていないと思う」と話した。

ファン・ジュンボム、イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-16 21:19

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/717671.html 訳Y.B

関連記事