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朝中国境2カ所に国家級経済協力特区、23年ぶり中国が承認

登録:2015-11-13 08:51 修正:2015-11-14 07:38
元統一部長官が現地踏査報告書 
鴨緑江と豆満江沿岸の集安と和龍に建設 
5・24措置で南北関係が膠着する中 
中国は北朝鮮経済開発の優先権を得る
2015年に中国国務院が承認した辺境経済合作区//ハンギョレ新聞社

 中国国務院(李克強首相)が今春、北朝鮮との国境地帯を形成する鴨緑江(アムノッカン)沿いの集安(ジーアン)と豆満江(トゥマンガン)沿いの和龍(ホーロン)に国家級の辺境経済合作区の建設を承認した事実が遅れて確認された。中国国務院が辺境経済合作区建設を承認したのは、1992年に丹東(タンドン)と琿春(フンチュン)の2カ所の承認以来23年ぶり。辺境経済合作区は中国の中央政府が基盤施設を作り入居企業に税制恩恵を与える国家級開発区だ。

 中国政府はこの事実を、これまで外部に公表せずにいる。朝中関係悪化しているとした韓国や米国政府などの情勢認識と異なり、朝中の経済関係が既存の一方的な「支援・恩恵」の関係から脱し「相互協力と連係性強化」に明確な方向を定めたとも分析される。これに伴い、南北関係が長期膠着・梗塞局面を抜け出せずにいる中、中国が北朝鮮の経済開発過程で優先権を得て韓国が遅れをとる可能性が高まることが憂慮されだしている。

 イ・ジョンソク世宗(セジョン)研究所首席研究委員は12日に公開した報告書「国境から見た朝中関係と北朝鮮の実態」で、中国の地方メディア、中国の関係者証言、現地踏査等を通してこの事実を確認したと明らかにした。イ研究委員は参与政府(盧武鉉<ノ・ムヒョン>政権)で統一部長官などを務め、『北朝鮮・中国関係1945ー2000』などの研究書を出した朝中関係に明るい専門家だ。

 集安辺境経済合作区は鴨緑江対岸の北朝鮮の満浦(マンポ)経済開発区とウィ原(<ウィウォン>ウィ=サンズイに胃)工業開発区、慈江道(チャガンド)の江界(カンゲ)市との協力を念頭に置いた布石と見られる。イ研究委員は「朝中国境をつなぐ鴨緑江大橋が工事完了の段階に入り、合作区工事も2017年の完工を目標に進められている」と指摘し「集安には『辺貿新村』(辺境貿易の新しい村)と呼ばれる朝鮮式の瓦家の村がすでに建設されている」と語った。

 和龍辺境経済合作区は豆満江沿いの南坪(ナムピン)に敷地を定めているが、推定埋蔵量が45億トンに達する北朝鮮の茂山(ムサン)鉱山の鉄鉱石を活用した資源協力をする目的に見えるとイ研究委員は分析した。合作区の計画建設面積は4万6千平米に達し、和龍市はすでに北京に本社を置く資源開発専門企業集団の「シンダ(フンダル)グループ」と合作区開発関連契約を締結した。

 イ・ジョンソク委員は「最近数年間の北朝鮮経済の成長と朝中経済関係の構造的連係性の強化傾向は、すでに実効性に疑問が提起されている5・24措置など、対北朝鮮制裁政策を今より無力化させてしまう可能性が高い」とし「朝中関係の悪化・梗塞という情勢認識を基にした関連政策の再検討が必要」と指摘した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-13 01:22

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/717295.html 訳Y.B

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