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金正恩第1書記の訪中可能性高まる…南北関係にも追い風

登録:2015-10-06 01:24 修正:2015-10-06 15:10
劉雲山常務委員の訪朝による朝鮮半島の気流変化
劉雲山常務委員訪朝で朝中間で予想される主な議題//ハンギョレ新聞社

 劉雲山・中国共産党常務委員が今月9〜10日に訪朝し、北朝鮮労働党創建70周年記念行事に出席することが、朝中関係と朝鮮半島情勢全般に肯定的転機となれるかが関心事として浮上している。

 中国で序列5位の劉常務委員は、習近平・国家主席が執権後に訪朝する中国の最高位級の人物だ。劉常務委員の訪朝で、とりあえず、北朝鮮が9月から可能性を示唆してきた長距離ロケットの発射は、しばらくの間延期されるものと見られる。一部では今回の訪朝をきっかけに朝中関係が復元の局面に入ることで、来年上半期頃、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が中国を訪問する可能性が高まったと予想する声もある。このような見通しが現実となれば、北朝鮮のロケット発射時期も、来年下半期以降に見送られる可能性がある。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は、「来年下半期まで北朝鮮の挑発の可能性が低くなった」とし「来年11月、米国の大統領選挙までは、北朝鮮が長距離ロケットや核実験カードを再びちらつかせられないだろう」と予想した。

 専門家「来年米大統領選挙まで
 北ロケット発射などの挑発もないだろう」
 南北離散家族の再会も順調に行われる見込み
 一部からは「主権を掲げた衛星の打ち上げ
 来年の金日成主席の誕生日に行う可能性も」

 ただし、依然として緊張感は残っている状況だ。 2012年11月30日に李建国・中国共産党政治局委員が北朝鮮を訪問し、金正恩労働党第1書記に会ったが、北朝鮮は12月12日「銀河3号」を発射し、翌年の2月12日には3回目の核実験を強行した。コリア研究院のキム・チャンス院長は「北朝鮮は衛星の打ち上げは主権の問題であると主張しており、ロケット発射のための技術の必要性もあるため、来年4月15日、金日成主席の誕生日である太陽節に再びロケット発射に乗り出す可能性もある」と述べた。

 劉雲山常務委員の訪朝が北朝鮮の核解決のための6カ国協議の再開にまでつながるのかも関心事だ。キム・チャンス院長は「朝中関係が復元されたら、その次は、朝米間の対話と6カ国協議の開催につながる雰囲気が整うだろう」と肯定的な見通しを示した。一方、ムン・ジョンイン延世大学教授は「劉雲山常務委員が訪朝し、核実験の自制と6カ国協議の再開を促すものと見られるが、6カ国協議までつなげるのは容易ではないだろう」と慎重な見方を示した。6カ国協議の再開と実質的な北朝鮮の核問題の進展のためには、米国の積極的介入が不可欠であるだけに、韓国が緻密な準備を通じて今月16日にワシントンで開かれる韓米首脳会談で、米国が対話に乗り出すように説得しなければならないという指摘もある。

 北朝鮮の“挑発”の可能性が影を潜めたことで、南北の8・25合意で約束した離散家族の再会が支障なく行われたり、当局間会談も開かれるなど、南北関係は当分の間、順調に進む可能性が高くなった。ヤン・ムジン教授は「南北が当局会談で会話にスピードを出すと共に、幅を広げたら、5・24措置のうち3つか4つは解除できる」とし、「来年下半期には、南北首脳会談もあり得る」と予想した。南北関係の進展のためにも、北朝鮮が中国な順調な関係を維持できるように、韓国側が支援する必要があると指摘する声も上がっている。ムン・ジェイン教授は「今回の事例を見ても、朝中関係が近くなければ、中国が北朝鮮の挑発を抑制する影響力が生まれる」とし「韓国も中国が北朝鮮を孤立させるように求めるよりは、両国の接近を支援すべきだ」と述べた。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-05 19:37

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/711473.html 訳H.J

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