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[社説]薫風吹く中台、停滞する南北

登録:2015-11-10 06:41 修正:2015-11-10 09:26
66年ぶりに中台首脳会談を行った馬英九(左)台湾総統と習近平(右)中国国家主席が7日、会談場のシンガポール シャングリラホテルで記者たちに手を振っている =シンガポール/EPA連合ニュース

 両岸(中国と台湾)関係が分断66年ぶりに開いた初めての首脳会談を契機に政治的統一を見すえた段階に入った。統一論に消極的と知られている台湾人の大勢が今回の会談を支持することが明らかになった。来年1月の台湾の総選挙で勝利が確実な野党候補もまた、新しい首脳会談の可能性を排除しないでいる。第2次首脳会談以降8年の停滞状態にある南北関係と対比される。

 習近平・中国国家主席と馬英九・台湾総統の7日のシンガポール首脳会談は、これまで経済協力が中心だった両岸関係の幅を大きく広げた。習主席は「私たちは骨が折れても肉がつながっている兄弟、家族だ」と話し、馬総統は敵対状態緩和、ホットライン設置、交流拡大などを提案した。声明や合意文は別に出されなかったものの二人が政府の代表であり国家元首で会ったこと自体が画期的だ。今回の会談で両岸が1992年に合意した「一つの中国」の原則は新しい意味を持つようになった。事実上二つの政府を認めて統一を議論する関係が成立したのだ。

 今回の会談は当初は独立を主張する台湾民主進歩党が総統選挙で勝つことを防ごうとして、中国と台湾国民党政府が突然実現させたという批判を受けた。そのような側面は明確にある。しかし会談に対する台湾人の支持を見ると政権が変わっても両岸関係は崩れそうにはない。何よりも政権交替以後も首脳会談が推進されなければならないという世論が圧倒的だ。これは平和と交流・協力拡大に対する共感が幅広く形成されていることを意味する。これは今後統一議論進展のための礎になるだろう。

 韓国、北朝鮮は両岸より先に首脳会談をしたものの実際の関係ははるかに遅れている。中国はすでに台湾輸出の40%を占めている。

 中国に進出した台湾企業は約8万社にもなる。人的交流も活発で昨年台湾を訪れた観光客の40%が中国人だ。反面、現在の南北間の経済協力は開城(ケソン)工業団地しか残っていない状態である。「8・25合意」以後も当局会談がいつ開かれる不透明である。南北が統一を議論するどころか、南は一方的に統一談論を押しつけて北はこれを吸収統一の試みだと警戒する状況が続いている。両岸関係は南北関係を映し出す鏡になる。両岸関係の発展は東アジアの平和にも寄与するだろう。南北関係の発展はそれ以上で、東アジアと世界の平和・安定のために重要だ。南北当局の意思と努力が過去になく求められている時期だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/11/09 18:50 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/716590.html 訳T.W

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